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26日の相場は暴落一歩手前くらいのとなった。日経平均は748円(2.53%)安、TOPIXも2.01%安。値上がり銘柄は152にとどまり値下がり銘柄は1992に達した。空運業や旅行関連株の下げが大きかったものの、規模や業種を問わず、幅広く売られた。
JQ指数は1.36%安、マザーズ指数は0.85%安。

南アフリカ共和国で新型コロナウイルスの新たな変異株が見つかり、これがデルタ株を大きく上回る感染力等で、一段と大きな脅威になるのではという懸念が強まったことが、急落の原因だ。
WHOは26日、警戒度が高い「懸念される変異株(VOC)」に指定し、「オミクロン株」と名付けたと発表した。
発表によると、オミクロン株には数多くの変異があり、インド由来の「デルタ株」などこれまでの変異株に比べ、再感染のリスクが高い可能性があるという。

アジア各国株の大幅安を受けて始まった欧米各国株は、さらに大きく下げた。
ヨーロッパ主要国はイギリスの3.64%安以外は4%台の下落でドイツ4.15%安、フランス4.75%安だった。
アメリカはNYダウ2.53%(905ドル)安、NQ2.23%安だった。

日経平均先物は597円(2.07%)安となっている。

ここヨーロッパ各国では感染再拡大が続き、アメリカにもその兆しが見られ、また南アでは、新たな変異株によると思われる感染急拡大が起きていた。それでも、世界各国の株価はさほど下げていなかったわけだが、事態が分かり始めたことで、一気に今回の急落につながったわけである。世界的な景気減速懸念から、急騰していた原油価格も先物価格が急落、一時下落率は14%に達した。

オミクロン株の脅威がどの程度かなど詳細は不明ながら、とりあえず売っておこうということで、このような大幅下落になったわけだが、先行きはと言うと、この変異株の悪質さ次第と言うしかない。
相場は、過去何度か、こうした変異株出現で大きく下げたが、そのたび大きく戻し、結果的に大きく上げてきた。今回もそういうことになる可能性はそれなりにあろうが、目先的には、厳しい局面もありうる。悲観的なシナリオもある程度は念頭に、慎重に対応するところだろう。

とは言え、大体は悲観論は敗れるというのが、こうした場合の相場である。冷静な対応が重要である。
現在新型コロナワクチンを供給している製薬各社は、オミクロン株への対応を急いでいる。たとえば、ビオンテック(ファイザーとワクチンを開発したドイツのバイオベンチャー)は26日、オミクロン株に対するワクチンの有効性を判断するデータが2週間以内に得られる見通しを示した。また必要なら6週間以内にワクチンを製造しなおし、100日以内に出荷できるという。(ロイター)
その他の各社も、続々対応策を発表している。

また、オミクロン株の脅威が強調されるが、現行のワクチンが、どの程度効くのか、著しく効かなくなるのかといったことは、全く不明だ。と言うより、テレビ等はすぐに恐怖をあおるような取り上げ方をしそうだが、もう少し冷静に見て行く必要がある。
南アのワクチン接種率は24%ということで、先進各国(おおむね70%程度か)に比べ、著しく低い。このため、同国で急速に感染拡大が進んでいるといっても、現行ワクチンがほとんど効かないなどとは、少なくとも現時点では決して言えないということである。

とりあえずは、29日の相場がどう動くか、冷静に見守ろう。信用で大きくやっているような方は委託保証金率にも注意。

11月28日 19時55分記

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