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アメリカ株が大揺れとなっている。
NYダウは1.27日が634ドル安、28日300ドル高、29日621ドル安。
ここまで大きく上げて来たことへの警戒感の強まりに加え、27日まで急騰してきたゲームストップ株が28日は乱高下(39%高の後68%安まで急落)、終値では44%安となった。
ネット掲示板メンバーらが空売りで儲けるヘッジファンドを懲らしめようと呼びかけ、ゲームストップ株を大量買い、同社株は20ドルにも満たなかったのが一時は500ドルを超えた(ザラ場ベース)。こうした中、新興ネット証券のロビンフッド・マーケッツ(個人投資家がよく利用する)などが、28日、ゲームストップ株などの購入をできなくする措置を導入した。
こうした動きに、議会は証券会社やヘッジファンドへの批判姿勢を強めた。SECは29日、ロビンフッド・マーケッツなど一部の証券会社が、個別株の取り引きを一時停止した問題に関し調査を始めると発表した。ゲームストップ株は29日は68%高。
注=NY証取には東証のようなストップ高・ストップ安制度はないので、こうした激しい乱高下が起こりうる。

プロの投資家を標的にした個人投資家による「反乱」は、リーマン・ショック後に巻き起こった「ウォール街を占拠せよ」運動を想起させるとの声もある(朝日新聞1.31日朝刊1面)。報道によると空売り筋の損失はゲームストップ株分だけで190億ドル(約2兆円)に上った(同)。
ゲームストップ株やAMCエンターテインメントHD株などを空売りしていたヘッジファンドは、これら銘柄の買戻しに追い込まれただけでなく、損失を埋めるため、保有する主力株で大量の売りを出したとみられ、これがNYダウの大幅安を招いた大きな要因だろう。

1.29日のNYダウは前記のように621ドル(2.03%)安、NQも2.00%安。
日経平均先物は52円(0.19%)高。
アメリカ株大幅安にもかかわらず日経平均先物は高いわけだが、これの理由を考えてみよう。
1.28日のNYダウ300ドル高に対し(NYダウ先物安もあって)、29日の日経平均は534円安。
29日のNYダウは621ドル安なので、28日と29日を合計したNYダウは321ドル安。
日経平均は29日に534円も下げているので、下げすぎとなる。NYダウと同幅の下げなら534−321で213円高、NYダウと日経平均の水準の違いを考慮すると193円高が妥当となる。NYダウ先物が下げていることも考慮すれば、日経平均先物の52円高は、おおむね納得できる数字であろう。
注=円とドルの違いはあるわけだが、これを無視して単純に絶対水準で見た場合、日経平均は、現在NYダウの92.2%の水準にある。上記の計算も円とドルの違いは無視して話を進めている。

いずれにせよ、実体経済の悪化等でアメリカ株が下げたわけではない。また、この問題と日本株とは直接の関係はない。こうしたことから、それほど気にすることはない、少し落ち着けば、特に日本株は戻すだろうという見方も当然ありうる。
ただ、ここまで日本株も含め、実体経済をかなり無視して、金余りをいいことに、かなり買い上がりすぎたのではないかという反省気分を多くの投資家に呼び覚ましたということは、厳然としてある。

一寸先は闇と心得、慎重な運用を心掛けたい。

1月31日 20時40分記

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