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2018.11.13
グローバルGの決算の見方
グローバルG(WEB銘柄)(推)は引け後、2018年9月期決算及び2019年9月期見通しを発表した。
PTSで1250▼164と売られた(現在は1300円)ことで、掲示板は百花繚乱というか阿鼻叫喚というか・・・
11.17日付で以下のように書いている。
>グローバルGも13日が決算発表だが1428▼16。同じ決算発表でも、仙波、SBSは9月中間決算なのに対し、こちらは2018年9月期本決算だということ。つまり、この場合、中間決算と違い、今期(2019年9月期)の予想数字が出される。これが怖いわけである。実際がどうなるかではなく、会社の胸先三寸の予想数字なわけだから。
まあ慎重に微増益予想にしておくかなどという鶴の一声で決まったりして・・・・
まさにこの通りで、今期は前期が大幅増益だったこともあってか、経常0.7%増益予想という、まさに鶴の一声ではなかろうが、微増益予想だった。
それはともかく、これだけの文句のない好決算で、なぜ、かくも売られるのか、考察してみた。
その前に、PTSの株価や掲示板の決算に関するコメントは、まったく当てにならないということを心得ておかれたい。
アルファポリスの決算をめぐっては、ネガティブな書き込みが大多数だった。PTSは高かったが、それでも100円高未満だったと記憶する。それが、ふたを開けてみればストップ高(400円高)買い気配で終えたわけである(11.12日)。
さてグローバルGの決算である。
PTSで売られた理由としては以下のことが考えられる。
①当期利益が前期比29.4%の減益だったこと。
>この固定資産について、将来の待機児童解消を前提に入所率 等を保守的に見積り、保育設備に係る投資額と投資期間を通じた回収可能 額について比較検討いたしました。 その 結果 、投資回収期間の長期化が想定される保育施設に係る固定資産に ついて減損処理を行い、 1,268百万円を減損失として特別損失に計上いたしました。(会社発表)
要するに、「保守的に入所率を低く見積もり」特損を出して計上したので、こういう減益になったわけで、保守的にしなければ不要なことを、好業績なんでやってみたわけである。
こういう一時的損失は、ほとんど無視してよいというのが、鎌倉理論である。
加えて、これは、もう過去のことで、今期は特損が消え、当期利益は5.59億円→12.50億円と123.5%増になると公表しているのだから、前期の特損による当期利益大幅減を下げの理由にするとしたら、まったくの的外れと断言してよかろう。
②株探のとんでも分析の影響
以下は株探の銘柄ニュースより。
>グローバルG、今期経常は1%増益へ
グローバルグループ <6189> が11月13日大引け後(15:00)に決算を発表。18年9月期の連結経常利益は前の期比29.8%増の19.1億円になり、19年9月期は前期比0.7%増の19.3億円とほぼ横ばい見通しとなった。6期連続増収になる。
直近3ヵ月の実績である7-9月期(4Q)の連結経常利益は前年同期比71.5%増の2.5億円に拡大したが、売上営業損益率は前年同期の2.8%→-1.2%に大幅悪化した。
問題なのは、後段の部分。売上営業損益率も何もあったものではなく、要するに、同社の7-9月期は営業利益は0.55億円の赤字だったのである。しかし補助金収入が多額にあり経常利益は2.59億円の黒字だった。
普通の企業なら、本業の儲けを示す営業利益が重要とかいう理屈も成り立ちうるが、グローバルGの場合、補助金収入が圧倒的に多く、これを前提に、設備投資、保育士の採用等を積極的にやり、待機児童解消に努めているわけである。こういう企業なのだから、通常の企業とは全く異なり、営業利益は重要度が低く、重要なのは、圧倒的に経常利益なのである。
「19年9月期は前期比0.7%増の19.3億円とほぼ横ばい見通しとなった。」とあるが、これは最初に書いたように、保守的に「微増益にした」とみるべきであろう。
前期決算同様、最終的には上方修正され、大幅増益になる可能性は十分あろう。
③「上方修正」なのに上方修正と書かれていない。
営業利益、当期純利益は下方修正で経常利益は上方修正
という決算だったわけだが、このように上方・下方入り乱れたため、本当の姿である「上方修正」が使えず、見方の分からない投資家が、悪い決算と勘違いした。
それでは、今回の決算についての私の分析を書いておこう。
もともと、営業微減益見通しを会社も四季報も示していた。4.07億円が3.70億円に減る見通しだったが実際は3.37億円と、ややさらに減ったわけである。しかし、もともと営業利益はさして重要ではない。
重要な経常利益は2018年9月期の14.77億円が19年9月期は17.00億円になる見通しだった(四季報予想も同じ)。
それが17.00億円→19.17億円へ大きく上方修正されたわけである。
決算をきちんと見ない投資家は、この期初予想が17.00億円だったことさえ頭にない可能性がある。
以下で数値は経常利益。
2018年9月期 会社予想(=四季報予想)→ 実績値 予17.00億円→ 19.17億円
2019年9月期 四季報予想→会社予想 予18.50億円→予19.30億円
じっくり、上表を検討すれば、文句のない好決算だったことが分かろう。
11月13日 19時00分記
PTSで1250▼164と売られた(現在は1300円)ことで、掲示板は百花繚乱というか阿鼻叫喚というか・・・
11.17日付で以下のように書いている。
>グローバルGも13日が決算発表だが1428▼16。同じ決算発表でも、仙波、SBSは9月中間決算なのに対し、こちらは2018年9月期本決算だということ。つまり、この場合、中間決算と違い、今期(2019年9月期)の予想数字が出される。これが怖いわけである。実際がどうなるかではなく、会社の胸先三寸の予想数字なわけだから。
まあ慎重に微増益予想にしておくかなどという鶴の一声で決まったりして・・・・
まさにこの通りで、今期は前期が大幅増益だったこともあってか、経常0.7%増益予想という、まさに鶴の一声ではなかろうが、微増益予想だった。
それはともかく、これだけの文句のない好決算で、なぜ、かくも売られるのか、考察してみた。
その前に、PTSの株価や掲示板の決算に関するコメントは、まったく当てにならないということを心得ておかれたい。
アルファポリスの決算をめぐっては、ネガティブな書き込みが大多数だった。PTSは高かったが、それでも100円高未満だったと記憶する。それが、ふたを開けてみればストップ高(400円高)買い気配で終えたわけである(11.12日)。
さてグローバルGの決算である。
PTSで売られた理由としては以下のことが考えられる。
①当期利益が前期比29.4%の減益だったこと。
>この固定資産について、将来の待機児童解消を前提に入所率 等を保守的に見積り、保育設備に係る投資額と投資期間を通じた回収可能 額について比較検討いたしました。 その 結果 、投資回収期間の長期化が想定される保育施設に係る固定資産に ついて減損処理を行い、 1,268百万円を減損失として特別損失に計上いたしました。(会社発表)
要するに、「保守的に入所率を低く見積もり」特損を出して計上したので、こういう減益になったわけで、保守的にしなければ不要なことを、好業績なんでやってみたわけである。
こういう一時的損失は、ほとんど無視してよいというのが、鎌倉理論である。
加えて、これは、もう過去のことで、今期は特損が消え、当期利益は5.59億円→12.50億円と123.5%増になると公表しているのだから、前期の特損による当期利益大幅減を下げの理由にするとしたら、まったくの的外れと断言してよかろう。
②株探のとんでも分析の影響
以下は株探の銘柄ニュースより。
>グローバルG、今期経常は1%増益へ
グローバルグループ <6189> が11月13日大引け後(15:00)に決算を発表。18年9月期の連結経常利益は前の期比29.8%増の19.1億円になり、19年9月期は前期比0.7%増の19.3億円とほぼ横ばい見通しとなった。6期連続増収になる。
直近3ヵ月の実績である7-9月期(4Q)の連結経常利益は前年同期比71.5%増の2.5億円に拡大したが、売上営業損益率は前年同期の2.8%→-1.2%に大幅悪化した。
問題なのは、後段の部分。売上営業損益率も何もあったものではなく、要するに、同社の7-9月期は営業利益は0.55億円の赤字だったのである。しかし補助金収入が多額にあり経常利益は2.59億円の黒字だった。
普通の企業なら、本業の儲けを示す営業利益が重要とかいう理屈も成り立ちうるが、グローバルGの場合、補助金収入が圧倒的に多く、これを前提に、設備投資、保育士の採用等を積極的にやり、待機児童解消に努めているわけである。こういう企業なのだから、通常の企業とは全く異なり、営業利益は重要度が低く、重要なのは、圧倒的に経常利益なのである。
「19年9月期は前期比0.7%増の19.3億円とほぼ横ばい見通しとなった。」とあるが、これは最初に書いたように、保守的に「微増益にした」とみるべきであろう。
前期決算同様、最終的には上方修正され、大幅増益になる可能性は十分あろう。
③「上方修正」なのに上方修正と書かれていない。
営業利益、当期純利益は下方修正で経常利益は上方修正
という決算だったわけだが、このように上方・下方入り乱れたため、本当の姿である「上方修正」が使えず、見方の分からない投資家が、悪い決算と勘違いした。
それでは、今回の決算についての私の分析を書いておこう。
もともと、営業微減益見通しを会社も四季報も示していた。4.07億円が3.70億円に減る見通しだったが実際は3.37億円と、ややさらに減ったわけである。しかし、もともと営業利益はさして重要ではない。
重要な経常利益は2018年9月期の14.77億円が19年9月期は17.00億円になる見通しだった(四季報予想も同じ)。
それが17.00億円→19.17億円へ大きく上方修正されたわけである。
決算をきちんと見ない投資家は、この期初予想が17.00億円だったことさえ頭にない可能性がある。
以下で数値は経常利益。
2018年9月期 会社予想(=四季報予想)→ 実績値 予17.00億円→ 19.17億円
2019年9月期 四季報予想→会社予想 予18.50億円→予19.30億円
じっくり、上表を検討すれば、文句のない好決算だったことが分かろう。
11月13日 19時00分記
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