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最近、テレビ、新聞等で、立て続けに、言葉関係で興味をひかれたことがあったので、ここで、まとめて書いてみたい。

⓵「総理」と「首相」
>加計問題で一貫して「挙証責任は文科省にある!」などと主張してきた高橋洋一氏は、“官僚は「首相案件」ではなく「総理案件」と言うはず”と主張し(以下略)(LITERAより)

>“「首相案件」ではなく「総理案件」と言うはずだから信憑性は低い”という指摘は、下村博文元文科相や『プライムニュース イブニング』(フジテレビ)キャスターの反町理氏や田崎史郎氏も同様に語っているが、明らかなインチキ。元文部官僚の寺脇研氏なども指摘していたが、むしろ「総理」は口語として使われる言葉で、文書化の際には「首相」とするのが一般的なのだ。(同)

どうであろうと、あの文書の信憑性に変わりはないと思うので、こんなことを問題にすること自体ナンセンスと思うが、ここで論じようとしているのは、そういうことではない。
テレビで字幕を見ると、画面で話している言葉を言い換えたりしていることがままある、字数節減のため妥当なケースも多いが、意味もなく言い換えていて問題のあるケースも珍しくない。
一例を挙げると、麻生さんが佐川さんについて話しているとき「佐川」、「佐川」と呼び捨てにしているのに、NHKなどは「佐川元長官」などとするのである。石原慎太郎氏など、その人の尊大さ丸出しで人を呼び捨てにしている場合、ちゃんとそう字幕で出さないといけないのに、そういうケースでも敬称等を付ける場合がほとんどなのである。

ついでに言うと「食べれる」、「見れる」などの、いわゆる「ら抜き言葉」をインタビューなどで一般人が話すと、ほぼ100%、テレビでは「食べられる」、「見られる」と字幕では表示される。
誰か「ら抜き」でなく話す人は現れないかと長年思っていたら、数年前、ついに「見られる」と言う方が出現した。
そうしたらどうなったか?「見れる」と字幕では出たのだ。唖然とするしかない。
「ら抜き言葉」はけしからんとその撲滅に命を懸けているのかと思っていたら、このざまだ。

話を「総理」と「首相」に戻そう。
これは「ら抜き言葉」のようには100%ではないが、それでも80%以上、「総理」→「首相」、「首相」→「総理」と、言い換えられる。
字幕を作成する人は、よほど暇で退屈で、こういう変換を唯一の楽しみに、仕事をしているのだろうかと、疑いたくもなる。
しかし、安易にこういう言い換えをすることは、問題が大きい。愚直に可能な限り、そのまま伝え、変える場合は、大いに慎重であるべきだ。
菅官房長官が、前川前文科事務次官について「地位に連綿」と発言したのを、「地位に恋々」と書き替えるのは、忖度なのか何なのか分からないが、問題だろう。麻生さんのように「みぞうゆう」などと言われたら、どう画面で表示するか大いに悩ましいが、菅さんの場合は、そう頭をひねることではない。「連綿(恋々のつもりか)」、あるいは「連綿ママ」(ママ=校正記号=は小さく表示)とでも表示すればいい。

【劣情】
 「総理夫人を国会に呼んできて公開裁判みたいにいじめて泣かしたいという劣情ですよ」。 (フジテレビ上席解説委員・平井文雄氏)
司会者が「野党の?」と聞くと彼は「国民の、ですよ。憂さを晴らしたい」と答えた。 (3.18日のフジテレビより)

これには耳を疑った。難聴気味のため聞き違えたかと思い、妻に確かめたが「劣情」と確かに言ったという。
劣情、昭恵さんに劣情?

国語辞典では、「劣情」をどう書いているか。「いやしい情欲」(岩波国語辞典)、「いやしい情念。情欲。肉欲。」(新世紀大辞典)などとなっている。
広辞苑は⓵いやしい心情。②肉情、情欲。としており、平井氏は⓵の意味(今では通常、こういう使い方はしないだろうが)で使っているわけであろう。
言葉の使い方としては間違いではないにしても、こういう状況で昭恵さん擁護のために「国民の劣情」とテレビで発言する太っ腹にただただ唖然とするしかない。

私は百科事典の編集の仕事が終わったら、国語辞典を編集したいという願望があった。これについては、機会があれば書いてみたいが、ここでは私が編纂したいと考えている国語辞典風に「劣情」について書いてみる(例文も加え)と

「劣情」
異性に(主に男性が女性に)対し抱く性的にみだらな気持ち。主に法的あるいは道義的に問題があるような場合に用いられる。
「被告は被害者女性Aさんに-をもよおし」

【余裕で屈する屈する】
『週刊文春』の最新号でBSフジ「プライムニュース」の松山俊行氏の愛人スキャンダルが報じられている。
文春が手元になく、例によって記憶で書いているので、やや不正確なのはお許しを。
愛人スキャンダルは、ここではどうでもいいのだが、彼が、愛人に、政権か何かから圧力があったらと聞かれ
「余裕で屈する屈する」
と答えたというのだ。
思わず笑ってしまった。「余裕で」の使い方や「屈する屈する」という言い方に対してだ。
しかし笑っている場合ではないだろう。いかにフジテレビとは言え責任ある立場の人物の言葉だ。ここまで惨憺たることになっているとは。

4月14日 21時42分記
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