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相場全般について書く前に、前稿の東京インキ(推)について書いた部分の追加である。
決算短信に以下のようにある。

>土木資材は、当第3四半期より本格的に市場へ投入したグランドセルが好調に推移したものの、震災復興向け土
木資材の工事減に伴う減販により、売上高は前年同四半期に比べ大幅に減少いたしました。
この結果、加工品事業の売上高は、62億5千1百万円で前年同四半期比2億2百万円の減収(3.1%減)となりま
したが、セグメント利益は売上構成の変化により、4億1千7百万円で前年同四半期比8千5百万円の増益
(25.7%増)となりました。

加工品事業は売り上げ減となったが売上構成の変化により大幅増益になった点に注目。この増益の立役者なのが「グランドセル」なのは言うまでもない。グランドセル軟弱地盤工法を「当第3四半期より本格的に市場へ投入した」わけで、これが好調で、全体では減収なのに大幅増益となったのだから、第4四半期ではさらにその傾向が顕著になろう。

【アメリカ株好調の真の理由】
16日のNYダウは25219△19と上げ、これで6連騰、08日の暴落で下げた1033ドルのうち707ドルを取り返してしまった。2.01日からの下落率も3.7%に縮小した。
あの下げは一体なんだったんだろうと言いたくなる状況だ。
それはともかく、あの暴落で言われたのは、それまで上げ過ぎていたということである。
しかし、本当にそうだろうか?
なぜアメリカ株(NYダウ)はあれほど上げたのか。この理由はかなりはっきりしていると思うのだが、誰も言わないように思う。私はかなり前から、この上げの理由について書こうと思いつつ、日々の相場動向の説明に追われ機会を逃していたのだが、ここでようやく書くわけである。

トランプ政権は、選挙公約だった法人税の大幅減税を、昨年末に実行に移した(12月20日下院で再可決)。
これにより、世界的にも最も高い部類だったアメリカの法人税は35%→20%へと劇的に下がる。
要するに100の利益が税引き65(100−35)になっていたのが、今後は同80(100−20)に激増するわけである。
鎌倉理論的に言えば、みなし純利益の算出に当たり、これまでは
経常利益×065 だったのが
経常利益×080 になったということである。
つまりそれだけ各企業の1株利益が激増する。増加率は23%になる。 
となれば、PER理論的には、アメリカ株(NYダウ)は23%上げていいということである。

アメリカ株が、これまでこの減税の信憑性をどの程度織り込んできたかは判断が困難だが、NYダウは昨年6月は21350ドル、10月は23377ドルだった(月中平均)。
21350×1.23≒26261
23377×1.23≒28754

NYダウの最高値は本年1.26日の26617ドルである。
これは、上記の計算からして、さほど驚くに足らない数字であり、法人税の大幅減税を織り込んだ結果とみることが可能であり、少なくとも、異常な上げではなかったのではないか。

【日本株の今後は】
以上のように、アメリカ株の上げが正当化され、今後も好調な経済を背景に、金利上昇という懸念材料はあるにせよ、そう弱気になる必要はないというくらいの相場観に立って、日本株の今後について考えてみよう。
今回の日本株の暴落で売りの主体は外国人であることが、明らかになった。個人投資家は、これまで買いそびれていた反動で買いに回り、逆に大きく買い上がっていた外国人が一転大幅売り越しに転じたという構図である。
私としてはやや意外な結果だったが、これは分かってみれば、今後にとって好材料だろう。
個人投資家は買い転換したばかりでなお買い継続、売り過ぎた外国人はアメリカ株等が日本株に比し大きく戻した結果を見て、日本株を売り過ぎたと後悔している可能性があり、今後は、買い越しに転じるかはともかく大幅売り越しはまずないとみられ、トータルで需給関係は大きく好転が見込まれるからである。

加えて、ここに来ての懸念材料だった為替が1ドル106円台回復と一方的な円高進行が止まり、やや円安になって来たという好材料もある。

なお、安心できる状況ではないが、相場環境は大きく好転、特に下げ過ぎの感が強い日本株は、ここからそれなりに戻すとみるのが妥当だろう。日本株というのは、過去の世界的暴落局面で、戻りでは常にと言っていいくらいアメリカ株の後塵を拝して来た。自力で戻るのを期待しても酷なのである。今回はそれにしてもひどすぎたが、それでも、これだけアメリカ株が上げては、日本株も上げざるを得ないだろう。

とりあえず、ここからは小型株は大半がそれなりに戻すとみて、売らずに様子を見るのがいいだろう。
それはそれとして、来たるべきチャンスに向け、購入資金も手当てしておきたい。

2月18日 21時35分記


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