「ホウ素中性子捕捉療法システム(BNCT)」とは?

1950年代には実験用原子炉を使った脳腫瘍の治療がアメリカで最初に行われたと言われる。
日本でも1968年に臨床研究が始まる。その後、がん細胞に取り込まれやすいホウ素化合物が開発され、これを用いた脳腫瘍の臨床研究が積み重ねられた。京都大学原子炉実験所では1975年から臨床治療を行っている。
中性子とそれに増感効果のあるほう素との反応を利用して、腫瘍細胞のみをピンポイントで破壊する画期的治療法である。そしてこのホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の研究は、いまや日本が世界の最先端を走っている。

次に国立がん研究センター・(株)CICSのBNCTシステムについて書こう。
注=前稿で②国立がんセンターグループにおいて、①京都大・住友重工・ステラケミファグループにおける住重の位置にいるのが
CICSである。

中性子の発生源が低速の陽子とリチウムの反応であるため、発生する中性子のスピードが遅く(エネルギーが小さく)、BNCTに用いるスピードまで減速させることが容易である。
半面、リチウムは融点が180℃と低いため、この加速器の運用中はリチウムを冷却する強力な装置が必要になる。また、リチウムから変化したベリリウムは放射性を持つため、除去する仕組みも必要になる。
病院内に設置するBNCTはベッドに寝かせた患者に対して垂直に中性子を照射できる方が望ましい。従来の原子炉型のBNCTでは発生する中性子のエネルギー(スピード)が高く、中性子からエネルギーを奪うための減速材が大がかりなものになっていた。そのため、ベッドの上につり上げて垂直に中性子を照射することができなかった。

しかし、(株)CICSのBNCT用加速器は、放射する中性子のエネルギーが小さく減速材を小型軽量に抑えられるため、冷却装置やベリリウムを除去する装置を組み込んでも、ベッドの上につり下げることが可能になった。
ちなみに、放射性のベリリウムは、反応しなかったリチウムとともに水で洗浄して水酸化物として基材から除去する。その後、基材にリチウムを蒸着して再生する。

この辺で登場するのが我が昭和真空(推)である。以下は同社のニュースリリース(2016年4.18日)。

>リチウムは、融点が低いため開発が難しいことや、リチウムの消耗によるターゲット交換時の作業者被爆といった課題がありましたが、リチウムターゲットを自動再生するシステムの開発により、課題は克服されました。
この「リチウム自動再生システム」に昭和真空の搬送技術や蒸着技術が貢献しています。

住友重機や三菱重工のシステムは共にベリリウムをターゲットとするシステムであり、用いられる陽子線のエネルギーも高く、特に住重のターゲットおよび照射装置は高いエネルギーの中性子が生成されるため、中性子の減速系の放射化が大きな課題となる。三菱重のシステムも住重のそれに比べ陽子線のエネルギーは低いものの得られる中性子のエネルギーはまだ高く、放射化の問題も残る。
CICS製加速器BNCTシステムは、固体リチウムターゲットを用い、生成される中性子のエネルギーが600keVと唯一1MeV以下である。加速器も最も小型であり、放射化も最少で、患者にとって最も安全なBNCT用中性子源の提供が可能なシステムである。

【今、なぜBNCTか】
BNCTは正常細胞をほとんど傷つけずに、がん細胞のみを破壊する「第3の放射線治療」として期待されて来た夢の治療法のわけだが、実用化への道は険しく、住重、CICSとも、治験、薬事申請などのスケジュールは、過去の発表をチェックしていくと、計画通りには行っていないことが分かる。
それでも 
>2016年3月、国立がん研究センターは、同中央病院に設置したBNCTシステム(CICS)をメディア向けに公開した。このシステムは世界初の病院内設置型で、同年3月01日に原子力安全技術センターの施設検査に合格した。
とか、前稿の「がん治療施設に55億円融資」(①グループ向け)など、ここ、実用化に向けて着々進んでいることをうかがわせるニュースが相次ぐ。
2017年には、治験開始とか薬事申請へとかの大ニュースがいつ出てもおかしくないのではないか。市場に出る(上市)のも、そう遠くないであろう。
2017年はまさに「BNCT元年」になるかもしれない。となれば、株式市場的には、これから間もなく「BNCT相場」が始まってもいいだろう。いやもう始まっているのかもしれない。数年前や1、2年前の「理想買い」から「現実買い」の段階へまさに来ようとしているのである。

お断り=上記の稿は各種の発表をもとに私がまとめたものです。しかし「ホウ素中性子捕捉療法システム(BNCT)」については、言うまでもなく私は門外漢であるため、精確性等において種々問題がある恐れがあります。この辺のことをご了解のうえ、活用ください。

昭和真空は1200円まであって1187△20と再び戻り高値を更新した。受注急増で今期業績の大幅上方修正含みで、業績面で安心感のあるのも心強い。そして、もちろん、なにより上記のように国立がん研究センター・(株)CICSグループの1社として、同様な位置にいて過去大きく上げたステラケミファ的大相場(チャート参照)もありえよう。

カネヨウ(推)は月曜にしては大商いで84△1。高値更新となる87円以上をつけるか終値で85円以上(引け新値)をつけるのを待とう。

11月21日 23時48分記
Secret

TrackBackURL
→http://kamakurayuusuke.blog134.fc2.com/tb.php/2636-2cf523aa