ここ雨続きで、鬱陶しいが、反面、いろいろいいこともある。
その一つは、草木が元気いっぱいなことだ。
私は、今アシュガをグランドカバーに使って、庭を改造しようとしている。
もともとは(前の持ち主の時代)大半に芝が植えられていたようだ。しかし中古で私が購入した時点では、芝は見る影もなく、ほとんど消滅、雑草が生い茂っていた。芝を植えるというのは、建築士とか家の建設を請け負った人達の発想だったのであろう。しかし、芝はかなり日当たりが良くないとうまく育たない。周りを生け垣で覆い、木もたくさん植えてしまったので、結局芝は根付かなかったわけである。

私は雑草を取った後、苔がかなりあったのにヒントを得て、苔庭にする壮大なプランを思いついた。と言っても、もちろん、そう広い面積の話でないのは言うまでもない。
それでも、私の夢は大観園に住み、美女たちに囲まれ、広大な庭園を散策することなので、そのミニチュアバージョン(の積もり)を作り空想の世界に遊ぼうというわけである。乱歩が、妖しくもグロテスクな夢を『パノラマ島奇談』で饒舌に語っているのは、あまりに有名だ。私はもっと風雅な世界にあこがれるので、曹雪芹の『紅楼夢』の主人公で美の司祭とも言われる宝玉の住む大観園を空想するというわけだ。
注=大観園の景観を再現した北京に1986年オープンの公園「大観園」の面積は13万㎡。

苔庭にするというプランに燃え、道志の山や崖、川沿いの土手などで採集して来た苔を植えたわけである。10年くらい前のことである。途中経過ははしょるが、結果としては大成功、庭は条件の悪いごく一部を除き、全面苔で覆い尽くされるという壮観を呈した。道志から移植した苔はほぼ全滅したのだが、その下から土着品種の苔が生えてくるという経緯をたどって、結果として成功したのであった。ホタルを別の地方から持ってくるといろいろ問題があるというような話を聞いたことがあるが、生物は、むやみに別のところから持ってきてもだめなことがあるということだろう。

ただ、このほれぼれするような夢のような景色も、わずか2、3年の命だった。その後、雨の少ない夏などのせいか、次第に、条件の悪い場所の苔は枯れ土がむき出しになって行った。毎日のように散水するなど手を尽くしたのだが徒労に終わった。
今日、小雨の中、庭に出て、アシュガの生育状況などを見ていたら、どうも、苔がこの雨で元気なだけでなく、失くなってしまった場所にもかなり出ているようなのに気付いた。これまでにも多少はあったのだが、ほとんど広がらず、一進一退だったのが、今回の記録的長雨で、かなり広がったようなのだ。

日当たりの比較的よく、苔には不向きなところには、ムスカリ、その隣にはアシュガを植えているのだが、こちらは順調に育ち、今、ムスカリの小さな球根(ごろごろしている)を、適正配置している。アシュガは、日当たりが悪く、苔も出て来ない場所にぴったりなので、現在、繁殖期(ランナーが出て来る)に一気に増やそうと考えている。それはともかく、雨に打たれたアシュガの元気いっぱいな葉の美しさに、しばし見とれたことだった。アシュガは多湿を好み、日が当たり過ぎると見ていられないくらいの姿になるのである。

【アジサイの殖やし方】
3ヵ月くらい前、散歩で長谷寺に立ち寄ったら、大盛況でごった返している。アジサイ鑑賞の順番待ちで、30分待ちだったか1時間待ちだったか、えらく待たされるのである。行列大嫌い人間の私は、即やめて、成就院に向かった。
そうしたら、なんとこちらは50年ぶりかなんかに、アジサイの植え替えをやっていて、やはり見られない。2019年の創建800年を迎えるにあたって参道の修復工事をしているのである。今HPを見ると、津波被害を受けた南三陸町の名刹大雄寺に成就院参道のアジサイ262株を2016年6月に送ったとある。
注=262株は般若心経の文字数であり、成就院参道に植えられているアジサイの数でもある。
そう言えば、ちょっと奥まった所にアジサイが挿し木されていた。20センチくらいの鹿沼土らしき土を入れた木箱かトロ箱に20センチ足らずの枝が6本くらいずつ挿し木され、いくつか並べられていた。

実は、今、アシュガの殖やし方に妙案はないかとパソコンで調べていて(妙案は見当たらなかった)、ついでに、ムスカリ、アジサイの殖やし方を見てみた。そうしたら、アジサイについては一様に、成就院で見たのと同じやり方が書いてあったのである。
私は成就院であれを見て、植木屋さん(の仕業と見た)が、あんな非効率的やり方をやっているんだと驚いたことを思い出し、そして、今回、それが標準的やり方で、誰も疑いを抱いていないようなので、これを書こうと思ったのである。

鎌倉式アジサイ急速増殖法=普通、アジサイを挿し木する場合、枝先を15センチから20センチ切る。それを鉢などに挿し木する。
その際、茎をはさみなどで斜めにカットすると発根しやすいとか、葉は水分の蒸散を避けるため、下の方は取り、残す葉も半分くらい斜めに切るとか、挿し穂を水にさし1時間くらい水揚げするとか、メネデールなどの発根促進剤を使うと成功率アップとか、いろいろうるさいことが書いてあることが多い。

しかし、実際は、こうした面倒なことは一切せずに100%挿し木を成功させる、しかも効率も何倍か何十倍かというのが、私の考案した方法である。

まず、挿し穂であるが、これは10センチであろうと40センチであろうとかまわない。新芽がいいだろうが、確か古い枝でも構わないはずである。葉もそのままで構わないが、全部付けておくと、場所をとるので適宜切り取ればいいだろう。
これを鉢等に挿し木するわけだが、土もなんでもいい。鹿沼土とか赤玉土プラス腐葉土とかこだわる必要は全くない。庭土でも構わない。ミソはこの挿し穂を鉢にびっしり密植することである。良く数えたわけではないが20~30センチくらいの鉢なら20~30本くらいは挿し木できよう。要は隙間ないくらいびっしり植えるのである。こうすれば一気に30本挿し木苗が出来上がるというわけである。密植の利点は、効率よく大量に挿し木できることに加えて、お互いが支え合って倒れなくなることにある。
ネット上には、「一気に4本挿し木成功」とか「5本とも挿し木成功で、鉢上げしました」などと、ほほえましい書き込みがいくつもあり、笑ってしまう。

さて、ここからが、鎌倉式オリジナルである。この密植挿し木した鉢を、水をある程度以上満たした容器(プラスチック製の深さ10センチから20センチくらいの物)などに入れておく。容器はポリトロなどでも代用できる、要するになんでもいい。これだけである。
「水をある程度以上満たした容器」に鉢を入れておくところに、成功の秘密がある。こうすることで挿し穂は常に十分な水分を確保でき、元気に育つのである。置き場所も選ばない。かんかん照りでも大丈夫なくらいだ(ただ長時間は避けた方がいいだろう)。朝昼晩の3度水やりをと書いてあるブログもあるが、私の方法では、もちろん、水やりは不要だ。外に出しておけば、降雨で容器の水は補充される。運悪くゼロになってもあわてず補給すればいいだけのことである。

私は
①容器に水を浸し砂を入れてそこに挿し木するという方法
②ドンキの密植展示という展示手法
この2つをヒントに、この方法を思いついたのである。

例によって分かってしまうとなあんだという方続出となりそうだが、おそらく誰もやっていない方法であり、これで、アジサイは、一気に大量に挿し木でき、しかも成功率ほぼ100%、さらに技術必要なし、手間暇も一番かからないという画期的手法なのである。
私は、この方法で、6月下旬に3鉢に挿し木、100株くらいが、現在元気に生育中である。
本当は、もう完全に活着しているので、定植したいのだが、植え場所に困り放置、あまりに元気に育ち、今互いがおしくら饅頭状態で困っている。
もともとの計画では、道志川支流の土手等に植える予定だったのだが、以前に植えた分がすでにかなりあるうえ、シャガの大群落を作るという計画との整合性に迷いが生じ、このアジサイの植え場所が決まらないというのが今の状況なわけである。

実は、この手法は、アジサイ以外でも、かなり広範囲に、いろいろな植物に応用できそうだ。また、挿し木には適期があるが、この方法なら、あまり時期にも左右されない可能性が大きい(これについては、今後実際に確かめる予定)。
特許も実用新案も認められそうにないが、アナログな原始的技術が、挿し木の世界に革命をもたらすかもしれないのである?!

「自分の頭で考える」という題にしたのは、株式投資も挿し木の世界も同じだということを書きたかったからなのだが、長くなったので、これで終わりとする。

9月24日 23時00分記
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