08日の相場は、円の対ドル相場の変動に連動して乱高下、日経平均は高値では278円高まであったが終値は72円(0.46%)高だった。麻生財務・金融相等の発言で1ドル108円台後半まで下落したものの、効果は長続きせず、108円台半ばまで戻し、つれて日経平均も上げ幅を縮めたわけである。
その後も円相場と連動した値動きは続き、日経平均先物・大証夜間は09日3時00分=15880△58、CME日経平均先物は09日5時59分=15780▼42となっている。1ドル108.1円と円高に振れているのが響いていると思われる。原油相場は6%強上げて40ドルに迫っており、先般言われた原油安=円高説は早くも否定されている。

日経新聞は6面で株式相場について「割安感強く戻り試す」としている。一方3面では大きな見出しで円高・株安「週明け後も」と矛盾することを書いている。
6面の記事は為替が再び円高に振れて来たことを知らずに(あるいはかなり早い段階で)書いたと想像される。前稿で書いた四季報オンラインにも通じることであり、為替や株に関する記事は、いつの時点でどういう状況に基づいて書いているのかを明示しないと、読者を混乱させることになる。当ブログ読者はこういうことを理解し、ミスリードされないよう気を付けられたい。

さて、為替相場は、依然不安定、当局の口先介入などはほとんど効かないとみておくところだろう。なお一段の円高=105円とか、場合によっては103円以下も=が十分ありうるという想定で対処するところだろう。

【石光商事(推)】
これまで書いて来たように、同社の為替の想定レートは1ドル120円、1円の円高で1.34億円のプラス(営業利益≒経常利益段階)となる。
これは会社の公表していることである。ただ、だからと言って単純に10円円高なら13.4億円の営業増益になるかと言えば、そうではなさそうだというのは、多くの投資家が思っていることであろう。だからこそ、石光にとどまらず、大半の円高メリット銘柄が、その割には上げていないのであろう。
この点について、実は私は、ここずっと問題意識を持って考え調べて来た。
円高メリット発生→顧客から値引き要請→円高メリット減少、場合によっては消失
為替予約→円高メリット縮小
まず、この2点が考えられよう。
とは言え、前者についてはかなりそういうことがあろうが、タイムラグもあるのではないか。(ただし、そうだとしても一過性の利益になるので株価的にはかなり厳しいかもしれない)
後者については、為替予約は一部にとどまることは自明で、そう懸念することはない。為替予約で問題が全て片付くのなら円高・円安は企業にとってほとんど問題でなくなるわけだから。

こうしたことを考えたが、実際の石光の円高メリットがどれくらいになるのか。これが分からない。ところがついに有力な資料を見つけた。

>当社はドルの決済が月間1,000万ドルほどあり、単純に計算すると為替が1円変動すると1,000万円のコストが上下することになる。ただコーヒー生豆や農産原料、水産原料などは売価も為替相場に連動するため直接的な影響はない。こういう商売が約4割あり、国内で調達している商品が約2割あるので、為替の上下で直接的に影響を受ける商品群は残りの約4割である。この商品については、目下の円安でコストが上がっているので、お客様に値上げのお願いをしている。

これは2015年3月期決算(営業利益、経常利益、純利益とも赤字に転落)を受けて石光社長が述べているものである。
「為替が1円変動すると(月間)1,000万円のコストが上下」というのは、年間では1.2億円となり、当時より売り上げが増加した現在では年間1.32億円になるのであろう。
そして約4割の商品が為替の上下で直接の影響を受けるというのである。
これで、問題は解決したわけである。
4割になったとはいえ、やはり現実の石光は円高で大きなメリットがあり、それが具体的に判明したのだから、大きな好材料とみていいだろう。

実際の為替差益がどうなるか計算してみよう。
120円(想定為替レート)-108.1円(現在の為替相場)=11.9円
11.9円×1.34億円×0.4(4割)≒6.4億円

同社の2016年3月期の予想経常利益は3.21億円(四季報予想は3.50億円)である。現在の為替水準が1年間続くと、会社予想の約2倍の為替差益が発生するということである。
2016年3月期は4-12月までは、ほとんど為替差益なし、1-3月期で1億円~1.4億円程度の為替差益か。いずれにせよ4-12月期ですでに3.79億円の経常利益を計上しているのであり、通期業績は為替差益が上記ほどではないとしても多少はあろうから、これも加わり、上方修正は必至と私は見ているわけである。
2017年3月期は為替差益が通年化してくる。ただ、今度は逆に顧客からの値下げ要請も本格化して来るかもしれず、そうそう楽観もできないだろうが、それでも為替差益は一段と拡大、大幅な増益が期待できよう。
注=以下の予想数字は今後も1ドル108.1円前後が継続したという前提。言うまでもないが、私の想定外の事情がありこうならない可能性も十分あることは言うまでもない(相場に関する予想とは本来そういうものであろう)。

2016年3月期・予想経常利益=4.0億円~4.4億円  予想実質1株利益=31.1円~34.2円
2017年3月期・予想経常利益=8.0億円~10.0億円 予想実質1株利益=62.2円~77.8円

富士通ゼネラルが「円高メリット」に着目で年初来高値と日経の「銘柄診断」で取り上げられている(4.09日朝刊)。同社は2016年3月期減益見通しだ。そういう会社が「電機株の中では円高で恩恵を受ける数少ない銘柄」として機関投資家の買いが入ったらしいという。それはともかく、ようやく「円高メリット」なる言葉に遭遇、感無量だ。
11日以降は、いよいよ「円高メリット」が市場のテーマとして急浮上してくることを期待しよう。

「全銘柄で円高で最も恩恵を受ける銘柄」(の一つ)は石光商事
「「電機株の中で円高で最も恩恵を受ける銘柄」(の一つ)はエレコム(推)
注=(の一つ)を加えてあるのは、私の知らない銘柄がある可能性に配慮したためである。

4月10日 22時22分記

追記=前稿でエコス(推)の業績について重要なことを書いているので未読の方はぜひご覧いただきたい。(4.10日 22時51分記)



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