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2014.09.21
昭和HDの過去の偽計問題について
昭和HD(推)及びウェッジHDについて、いろいろ問題がある会社だから推奨をやめたらといった趣旨のコメントがある。
これについて、私の考えを書く。
まず業績についてはだが、上場企業が問題を隠していて、突如、実は・・・といったことは、よくあることである。ごく最近ではリソー教育(不適切会計が発覚、株価は2013年5月の11400円から14年5月には2090円=10分割を考慮=まで暴落)の例がある。当ブログでも推奨銘柄ではないが有望銘柄として言及したので買われた方もいると思う。私もある程度は買っていた。ただこの問題発覚のかなり前のことなので、私を含めほとんどの方は、これで下落する前に売却済みだったと推測する。しかし、これは投資家としてはある程度、多くの会社でこうした事態が起こりうることは覚悟していることだろう。
ただ、そういうことが起こる爆弾を抱えていることが事前に分かっているなら、それは公表したほうがいいのでは、というご意見なら、確かにそうである。しかし私は読者の方のコメントへの返信で書いたように、昭和HD推奨時には、そういうことは全く知っていなかった。
今はご指摘を受け、ざっとながら調べたのである程度は知っている。とはいえ、情報が意外に少なく、こういうことらしいとは分かっても、はっきりこうと言えるほどには分からない。それでも、それを知っておきたいという方も多いだろうと思い、多少不正確ではという危惧を抱きつつも以下に書く。
私なりに、ネットで調べたレベルの情報を整理というか、アバウトにまとめると以下のようになる。
証券取引等監視委員会が2013年11.01日付けで
「ウェッジホールディングス株式に係る偽計に対する課徴金納付命令の勧告について」という文書を出している。
ウェッジHD、昭和HD、アジア・パートナーシップ・ファンド・グループの実質的オーナー此下益司氏が、ウェッジHDの社債に8億円の資産価値など認められないにもかかわらず、ウェッジHD株式等の価格の上昇を図る目的をもって、2010年3月4日、同社債を引き受けることにより、転換権等の行使による株式取得や受取利息等の投資収益の増加が見込まれるなどの虚偽の内容を含む公表を行い、さらに、同月5日から同月12日までの間、同社債の払込金額8億円に満たない資金をウェッジ及びホスピタリティを含むAPFグループ内において循環させるなどして同社債の払込みを仮装した上、同月9日、同社債の引受けによって受取利息等の投資収益が増加する見込みとなった旨の虚偽等の公表を行い、、同社の株式等の価格を上昇させ、もって、有価証券の相場の変動を図る目的をもって、偽計を用い、有価証券の価格に影響を与えた。
として、上記3者に対し課徴金40億9605万円の納付命令を出するよう金融庁長官に勧告したと発表した。
しかし、これはもう1年近くも前(事件自体は4年半も前)の話である。では、その後どうなったかというと、正確に書こうとすると、手に負えない。詳しく知りたい方はネットで調べられたい(「ウェッジ 偽計」等で検索)。『週刊文春』等が追っている。要するに理由は不明だが、証券取引等監視委員会が刑事告発しない(課徴金納付は支払わなくても罰則規定はない)ので、結局ウェッジHD等は1円も支払っていない。逆に疑惑を報じられた投資会社グループ代表が明らかな虚報だとして提訴するなど、この問題はうやむやになっている。
少なくとも、これは現時点では株価に響く材料ではないだろう。ただ、将来にわたってもそうかと聞かれれば、そこまでは保証の限りではない。また、こういういかがわしい話のある会社の株主ではいたくないという方もあろう。
というわけで、あえて、これを書いた。
9月21日 19時19分記
追記=相場見通し等については深夜に書く予定です。
これについて、私の考えを書く。
まず業績についてはだが、上場企業が問題を隠していて、突如、実は・・・といったことは、よくあることである。ごく最近ではリソー教育(不適切会計が発覚、株価は2013年5月の11400円から14年5月には2090円=10分割を考慮=まで暴落)の例がある。当ブログでも推奨銘柄ではないが有望銘柄として言及したので買われた方もいると思う。私もある程度は買っていた。ただこの問題発覚のかなり前のことなので、私を含めほとんどの方は、これで下落する前に売却済みだったと推測する。しかし、これは投資家としてはある程度、多くの会社でこうした事態が起こりうることは覚悟していることだろう。
ただ、そういうことが起こる爆弾を抱えていることが事前に分かっているなら、それは公表したほうがいいのでは、というご意見なら、確かにそうである。しかし私は読者の方のコメントへの返信で書いたように、昭和HD推奨時には、そういうことは全く知っていなかった。
今はご指摘を受け、ざっとながら調べたのである程度は知っている。とはいえ、情報が意外に少なく、こういうことらしいとは分かっても、はっきりこうと言えるほどには分からない。それでも、それを知っておきたいという方も多いだろうと思い、多少不正確ではという危惧を抱きつつも以下に書く。
私なりに、ネットで調べたレベルの情報を整理というか、アバウトにまとめると以下のようになる。
証券取引等監視委員会が2013年11.01日付けで
「ウェッジホールディングス株式に係る偽計に対する課徴金納付命令の勧告について」という文書を出している。
ウェッジHD、昭和HD、アジア・パートナーシップ・ファンド・グループの実質的オーナー此下益司氏が、ウェッジHDの社債に8億円の資産価値など認められないにもかかわらず、ウェッジHD株式等の価格の上昇を図る目的をもって、2010年3月4日、同社債を引き受けることにより、転換権等の行使による株式取得や受取利息等の投資収益の増加が見込まれるなどの虚偽の内容を含む公表を行い、さらに、同月5日から同月12日までの間、同社債の払込金額8億円に満たない資金をウェッジ及びホスピタリティを含むAPFグループ内において循環させるなどして同社債の払込みを仮装した上、同月9日、同社債の引受けによって受取利息等の投資収益が増加する見込みとなった旨の虚偽等の公表を行い、、同社の株式等の価格を上昇させ、もって、有価証券の相場の変動を図る目的をもって、偽計を用い、有価証券の価格に影響を与えた。
として、上記3者に対し課徴金40億9605万円の納付命令を出するよう金融庁長官に勧告したと発表した。
しかし、これはもう1年近くも前(事件自体は4年半も前)の話である。では、その後どうなったかというと、正確に書こうとすると、手に負えない。詳しく知りたい方はネットで調べられたい(「ウェッジ 偽計」等で検索)。『週刊文春』等が追っている。要するに理由は不明だが、証券取引等監視委員会が刑事告発しない(課徴金納付は支払わなくても罰則規定はない)ので、結局ウェッジHD等は1円も支払っていない。逆に疑惑を報じられた投資会社グループ代表が明らかな虚報だとして提訴するなど、この問題はうやむやになっている。
少なくとも、これは現時点では株価に響く材料ではないだろう。ただ、将来にわたってもそうかと聞かれれば、そこまでは保証の限りではない。また、こういういかがわしい話のある会社の株主ではいたくないという方もあろう。
というわけで、あえて、これを書いた。
9月21日 19時19分記
追記=相場見通し等については深夜に書く予定です。
「過去に公取の勧告の履歴があるから注意」というよりは、
最初に今期1Qの決算短信を読んで、
http://211.6.211.247/tdnet/data/20140814/140120140811030970.pdf
・売上増なのに営業利益減であることに違和感を覚え、
・「営業貸付金」が年間売上高の約2倍あるので売上の架空計上を疑い、
CF計算書を確認するために前期4Qの決算短信を参照すると、
http://211.6.211.247/tdnet/data/20140515/140120140515065844.pdf
・営業CFが営業利益より少なく、多額のマイナス
・現金が流入しているのは財務活動(資金調達)のみ
なので疑いが確信に変わり、
適時開示の履歴を見ると裁判沙汰やら公取の勧告やら散見されて腑に落ちた、という次第です。
ですから、これはあくまで今期の業績に関するお話です。
昭和HDは、
素直に赤字を垂れ流している企業にも増して、突然業績を下方修正したり、利益情報を訂正したり、突然訴追されたり、突然上場廃止に向かうリスクはかなり高そうに思えますし、
そうでなくとも現金流入を債権者・投資家からの資金調達に頼っている状況での「業績がよくなる」という会社の説明があまり信用できないから推奨は止めてはいかがですか、という意見です。
さてしかし、
昭和HDについて四季報が会社予想の線かそれ以上で予想していることは確かで、「四季報が間違えれば私も間違える」という著名な投資家の方もいらっしゃいますので、四季報からしたら有望銘柄なので推奨する、あとは自己の判断でというスタンスもあるのだろうなと考えました。
推奨は容易に取り消されないのだな、ということも分かりましたので、この辺でやめておこうと思います。
私見への丁寧なお返事いただき、どうもありがとうございました。
最初に今期1Qの決算短信を読んで、
http://211.6.211.247/tdnet/data/20140814/140120140811030970.pdf
・売上増なのに営業利益減であることに違和感を覚え、
・「営業貸付金」が年間売上高の約2倍あるので売上の架空計上を疑い、
CF計算書を確認するために前期4Qの決算短信を参照すると、
http://211.6.211.247/tdnet/data/20140515/140120140515065844.pdf
・営業CFが営業利益より少なく、多額のマイナス
・現金が流入しているのは財務活動(資金調達)のみ
なので疑いが確信に変わり、
適時開示の履歴を見ると裁判沙汰やら公取の勧告やら散見されて腑に落ちた、という次第です。
ですから、これはあくまで今期の業績に関するお話です。
昭和HDは、
素直に赤字を垂れ流している企業にも増して、突然業績を下方修正したり、利益情報を訂正したり、突然訴追されたり、突然上場廃止に向かうリスクはかなり高そうに思えますし、
そうでなくとも現金流入を債権者・投資家からの資金調達に頼っている状況での「業績がよくなる」という会社の説明があまり信用できないから推奨は止めてはいかがですか、という意見です。
さてしかし、
昭和HDについて四季報が会社予想の線かそれ以上で予想していることは確かで、「四季報が間違えれば私も間違える」という著名な投資家の方もいらっしゃいますので、四季報からしたら有望銘柄なので推奨する、あとは自己の判断でというスタンスもあるのだろうなと考えました。
推奨は容易に取り消されないのだな、ということも分かりましたので、この辺でやめておこうと思います。
私見への丁寧なお返事いただき、どうもありがとうございました。
2014/09/22 Mon 05:55 URL [ Edit ]
かみ7
掲示板に新聞記事のリンクがありましたが、
http://kabu.nsjournal.jp/rensai/12775.html
足利事件の弁護士だった方が訴訟を引き受けておられることから、えん罪の可能性が非常に高いわけですが、本稿でそのあたりの記述がなく、「偽計」としたタイトルからくる第一印象も含めて、読んでいて疑義だけがわいてしまいました。
まだ、勧告に異議を申し立てて裁判中ですので、タイトルを「過去の勧告問題等」に校正されてみてはいかがでしょうか?
日頃お世話になっているのに、こんなことを書いて申し訳ありません。
http://kabu.nsjournal.jp/rensai/12775.html
足利事件の弁護士だった方が訴訟を引き受けておられることから、えん罪の可能性が非常に高いわけですが、本稿でそのあたりの記述がなく、「偽計」としたタイトルからくる第一印象も含めて、読んでいて疑義だけがわいてしまいました。
まだ、勧告に異議を申し立てて裁判中ですので、タイトルを「過去の勧告問題等」に校正されてみてはいかがでしょうか?
日頃お世話になっているのに、こんなことを書いて申し訳ありません。
2014/09/24 Wed 12:13 URL [ Edit ]
鎌倉雄介
> かみ7さん。
まあ、いろいろあって、かつ真相が藪の中なので、正直、私も困っているのです。
掲示板に張り付けてある記事は2013年11月と古いものですし。
でも、その記事を見たら、末尾に関連、有用な記事があったので記事として、ここに
転記しておきましょう。
>2010年6月に昭和HDは、架空増資の疑いでSESC(証券取引等監視委員会)の強制捜査を受けた。「事件化するのではないか」と緊張感が走ったが、追加捜査などの目立った動きもその後なく、今年6月27日に〝時効〟を迎えた。仮に不法行為があったとしても、課徴金処分を課されることはなくなった。(2013年11月18日の日本証券新聞の記事)
これが正しければ、昭和HDに巨額の課徴金支払い命令が出て、経営難に、といった事態は
起きないというkとになります。
まあ、いろいろあって、かつ真相が藪の中なので、正直、私も困っているのです。
掲示板に張り付けてある記事は2013年11月と古いものですし。
でも、その記事を見たら、末尾に関連、有用な記事があったので記事として、ここに
転記しておきましょう。
>2010年6月に昭和HDは、架空増資の疑いでSESC(証券取引等監視委員会)の強制捜査を受けた。「事件化するのではないか」と緊張感が走ったが、追加捜査などの目立った動きもその後なく、今年6月27日に〝時効〟を迎えた。仮に不法行為があったとしても、課徴金処分を課されることはなくなった。(2013年11月18日の日本証券新聞の記事)
これが正しければ、昭和HDに巨額の課徴金支払い命令が出て、経営難に、といった事態は
起きないというkとになります。
2014/09/24 Wed 20:31 URL [ Edit ]
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