今年は、珍しく、梅雨らしい梅雨である。
雨には、やはり紫陽花が似合う。アガパンサスもいい。そう言えばどちらも紫色だ。紫と雨が似合うのだろうか。
ところで数年前から人気急上昇で、今やいたるところで見かけるのがアナベルだ。ご存知だろうか。一応アジサイの一種で、こちらは基本的には白色である。通販サイトで見たら赤色のもある。

私は2年前1株園芸店で求めて庭に植えていたのだが、昨年のことだが、道志村で知人の方が庭に山のように増やしていて、当方がちょっと物欲しそうにしていたらしく、惜しげもなく大きいのを5株くらい分けてくださった。それで、今では自宅と道志とかなりのアナベルが、今咲き誇っている。
白いたおやかとでも言いたい花に掌を広げて上からさわってみると、予想通りの優しい手触りに癒される。うちのネコ、チンチラシルバーの額に手を置いた時を思い起させる。
ところで、このアナベル、なかなか奥深い、一筋縄ではいかない植物である。

アジサイにしては、花以上に葉が柔らかくアジサイらしくない。ごわごわというかあの厚ぼったい丈夫そうな葉とはかなり違うのである。移植しようとしたらあっという間に葉が萎れ枯らしそうになった。普通のアジサイとはかなり違う。花芽の付き方も全く違うのでアジサイ(花後まもなく剪定)と違って春先に剪定してもよく、強剪定してもいい。
それで調べると、普通のアジサイはアジサイ科のわけだが、アナベルはユキノシタ科としているものもある。しかしまあ、アジサイは日本原産(ガクアジサイ)で、それを品種改良したものが今主流のアジサイ(西洋アジサイ)のわけで(この辺は中国そして日本の物だったのが西洋で品種改良された芍薬に相通じるものがある。和芍と洋芍)、問題はアナベルが、どのようにして生まれたかであろう。
アナベルは別名アメリカアジサイ、アメリカノリノキだから、アメリカで生まれたもののようではある。さらに調べると、「アメリカ原産のワイルドホワイトハイドランジアを改良した園芸品種。」とあるのを見つけた。となると、もともとの出自が西洋アジサイ(日本原産)とアナベル(アメリカ原産)では、まったく違うということである。

アジサイの学名はHydrangea macrophylla、アナベルの学名は Hydrangeaarborescens cv. Annabelle。

結局、どちらもハイドランジア(アジサイ)だが、しかし、蝶も蛾も区別しない(できない?)紅毛人(差別用語の意図はありません)では、こんなことは当てにならない。

先日、近所の若い女性がやっている小さな園芸店に鉢植えのアナベルが置いてあったので値札をみたら7000円。大きい株で何本かの寄せ植えではあるが、それでも7000円とはと驚いていたら、数日後、2重線が引かれ3500円にダンピング。
育てていて最近分かったのだが、どうもこのアナベル、繁殖力がすごそうなのだ。知らぬ間に大株の近くに子株が出ていたりする(ただし100%の確信はまだ持てないが)。普通のアジサイは株は大きくなるが、子供が近くに出たりはしないだろう。そして一見楚々として弱そうだが、実際は至って頑健でもありそうなのだ。
というわけで、アナベル、今の高価格も風前のともしび、あと1、2年で普通のアジサイと同価格になると私はみている。

クリスマスローズも近年、人気が急速に高まったように思う。こちらも、なんでこんなに高いんだろうと思っていたら、最近になり、急速に下落、最近はそう高く感じない価格になっている。こちらも育ててみると至って頑健、価格下落もむべなるかなである。花好きの家の庭にはどこにも植わっているという感じで、最近は多少はまだ珍しい八重咲きを売ろうとしているようだ。

一方、以前はどの園芸店にも置かれていた人気の花だったのに、最近ほとんど見なくなった花がある。
サントリーのサフィニアである。多少花好きの方なら、まずご存知のもので、20年くらい前にもうなるであろうか一世を風靡したものである。ペチュニアをサントリーが品種改良したもので、確かにいろいろな点でペチュニアを上回り、少しリッチな人はこちらに鞍替えしたように思う。あまりリッチでない私は、時たま買った程度だったが。

そのサフィニア、最近ほとんど見かけない(ご近所の園芸店やホームセンターでのことだが)なと思っていたのだが、1週間ほど前、ある園芸店で久しぶりに見た。最近見かけない理由は予想通りのものだった。価格に原因はある(と私は思う)。398円で売られていた。
20年前くらいは、うろ覚えの記憶で言うと、サフィニア398円、ペチュニア200円といった価格だったように思う。要するにペチュニアは今よりはるかに高く(これは他の鉢花も同様である)、サフィニアの価格は当時と今で大差ないと思う。
日本農産工のヨード卵「光」は価格据え置きでも物価の優等生の鶏卵も価格はこの20年ほとんど同じだからいいが、サフィニアは、そうはいかない。鉢花価格は、この20年で劇的に下落しているからである。

今、ペチュニアは128円とか98円、場合によっては68円とかで売っていたりするのではなかろうか。これに対しサフィニアは398円。これでは勝負にならない。

>よく、お客様に『サフィニアというペチュニアはなぜあんなに高いのか』と 聞かれます。
・・・やはりそのお値段に見合ったよい性質がありますよ。

これは渋谷園芸のHPに出ている文言である。都心では今も売れているのだろうか。

7月05日 15時37分記



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