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23日の相場は結局、日経平均で1143円(7.32%)安という、暴落で終えた。値上がり銘柄数17が暴落であることを物語る(古館伊知郎氏が「暴落」というより「急落」ですよね、とか言ってるのには参る)。一時316円高まであったのが、1143円安まで下げたわけだが、前稿で書いたように、一貫して値下がり銘柄の方が多く、一時316円高だったり、前場引け段階で日経平均がプラスだった(TOPIXはマイナスだった)のが、異常事態だった。こういう不自然な状態も、大引け段階では解消、下落率は、逆にTOPIXより日経平均の方が大きくなった。

リーマンショックや東北大震災のときを上回る下落幅と言われるが、幅で語るのは、あまり意味がない。率ではどうか。リーマンが実は数字が発見できず省略。
東北大震災時は3.14日が9620▼634で下落率6.2%、15日が8605▼1015で同10.6%。
今回は14484▼1143で下落率は7.3%。大震災時の3.15日よりは、率的には小さいことがわかる。
ちなみにブラックマンデー時の1987年10月20日は21910▼3836で下落率14.9%だった。

こうしたときよりは下落率は小さいわけだが、しかし大した理由もなく、これだけ下げたのは、前例がなく、この原因を究明することが重要だろう。下げの原因としては、いろいろ語られているので省略。結局そうした表面的理由より、これまで大きく上げ続けてきたことへの警戒感が、前回の5.15日(この日は日経平均は上げているが値下がり銘柄数の方がはるかに多かった)、16日の調整に続いて、再度頭をもたげたということだろう。そして、昔とは違う取り引き環境=いわゆる高速取り引き、信用取引の規制緩和に伴う売買活発化、ネット取り引きが主流になったことによる一方に偏りやすい売買といった要因が、値動きを大きくし、行過ぎた下げをうんだとみる。海外との比較等から判断して、本来はせいぜい500円から700円程度の下げにとどまるところだったと、私は考えている。

22日段階の日本株の今期予想PERは17.8倍だった(東証1部全銘柄)。それが23日の下げで16.9倍程度に低下した(鎌倉雄介試算)。そして、今期業績は円安(企業は想定為替レートを1ドル94円前後としているが、ユーロも含め実際はこれよりかなりの円安になろう)により、上ぶれ必至である。よって16.9倍は15倍台に低下するのではないか。そうなると、これは、歴史的にも、かなり低い数字である。日本株は、歴史的に欧米主要国と比べ、ほぼ一貫して最も高PERだった。15倍台なら、欧米各国のなかで通常一番高PERのアメリカといい勝負となろう(最新時点の数字を持ち合わせていないので、お許し願う)。

要するに言いたいのは、日本株に割高感はないどころか、むしろ割安といっていいくらいだということである。よって、今後の、相場動向を考えるとき、そう弱気になることはない。TVは1ヵ月くらいは調整かとか、海外も日本株暴落を受けて大きく値下がりとか言っているが、かなりあやしいものがある。
ヨーロッパ各国株の下落率は2%強前後にとどまり、アメリカ株はNYダウでは徐々に下げ幅を縮小、現在は20ドル余(0.14%程度)の小幅な下げにとどまっている(ただし前日のようなこと=起きたら上げていたはずが下げていた=もあるので要確認)。
CME日経平均先物も156円程度高い。主力株と小型株では、一時的に値動きが大きく違うこともよくあるので、軽軽なことは言えないが、基本的に、先行きを悲観するには及ばない。
というより、本音を言えば、私は強気である。ただし、ほとんどの投資家の資金状況は悪化しているので、瞬間的に大きく下げる場面がないとも限らない。慌てず、そういう止むを得ない売りが一巡して、相場がどう動くのかを見極めよう。

5月24日 0時56分記

お詫び=読者のかたから多くのコメントをいただいている。全てに目を通しているが、緊急事態でお返事できないことを、ご了解願う。こういう精神的にきつい局面は株式投資には付き物である。スターリン暴落(1953年)はさすがに知らないが、昭和40年証券不況以来の暴落と付き合ってきた者として、こういう下げは怖るるに足らずと言っておこう。
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