前日、江ノ電の極楽寺駅近くで崖崩れがあり、一時江ノ電は不通になったというので、ちょっと見てみようと、年末年始で久しぶりになった散歩のコースを、自宅から極楽寺、成就院、湘南道路経由稲村ガ崎、七里ガ浜、自宅と定め、3時過ぎに自宅を出た。

かつて田中絹代も使ったという山道を下り切ると、まず現れるのが月影地蔵。この月影地蔵というのは、この近くに一時住んでいた阿仏尼(所領紛争を幕府に訴えるため鎌倉に来たときのこと)邸にあったものを移したと伝えられる。なかなか庶民的で大きくて、土着的で、初めて見た時は、ちょっと驚かされる菩薩(ただし現在のものは江戸時代のものらしい)ではある。ただ小生、すでに10回以上は見ているので、もう驚かない。
ここを過ぎると、間もなく極楽寺。忍性(悲田院、施薬院で有名)を開山とする名刹であるが、かつての七堂伽藍を誇った栄華は見るべくもない。山門等、古いものでも明治一歩手前の再建だが、施薬院で薬を作るのに使ったとかいう大きな石の鉢が残る。拝観料が要らないこともあって、ちょっと寄ったのである。4時30分閉門なので辛くも間に合った。
この極楽寺の脇、極楽寺駅の北側が確かに崩れ、ブルーシートに覆われている。人家の敷地の横だから、ここの住人の方にしてみたらたまったものではない。水道管か何かから漏水して、崩れたという情ない話なのである。駅ホームには警備員風の方2名が所在なげに厳戒中。

極楽寺の隣が導地蔵。ここはさらに庶民的というか近所の子供が遊んでいそうなひなびたところである。川にかかる朱塗りの橋を渡り左折すると極楽寺亭(もしかしたら極楽亭)。骨董喫茶である。閉店しているところが多いせいもあってか、店内は珍しく満席でコーヒーを飲むのを断念。この先すぐ右上が成就院。初夏には紫陽花が咲き誇る寺である。ここは5時閉門だったので、またしても辛くも入れた。坂道を登りきると湘南の海が一望できる。1人、荒海でサーファー?が・・・

坂道を下り大通りに出るとすぐ、星の井、あるいは星月の井という鎌倉十井の一つとかいう井戸(跡)があり、すぐ左にあるのが明鏡山圓満院星井寺。日本三大虚空蔵菩薩が祀られているとあったが、記憶で書いているので、やや怪しい。お賽銭泥に悩まされ、賽銭箱の前は泥棒防止柵のようなものが。お供物は・・・とあるから、何か差し出せというのかと思ったら、リス被害で困ってるので、勝手ながら、お供物はお持ち帰りをというお願いであった。いろいろ悩み多き菩薩様であった。

ここを過ぎ、人家の間の狭い道を入ると、すぐ湘南道路に出る。
坂ノ下(地名)を江ノ島方面に向かって歩く。海を見たくて海側を歩くのだが、かつて無いほどの強風だった。
いつの間に、海寄りに芝張りの公園が整備されている。歌碑あり。

世の中は 常にもがもな 
渚こぐ
あまの小船の 綱手かなしも

もちろん、百人一首にもある有名な歌である。しかし恥ずかしながら、この歌の作者が源実朝とは、知らなかった。実朝とて、いつも、割れて砕けて裂けてと万葉調の歌ばかり熱唱していたのではなかったのだ。ついでに勉強して、「もがもな」の意味も調べて、初めて知った(大きな声では言えないが)!余計なお世話だと言われそうだが、新知識を得るとお教えしたくなる性分なので、あえて書かせてもらうと、「が」あるいは「がも」は願望の助詞だが、あとは、強意や詠嘆を表すだけでたいした意味は無いので、結局「もがもな」で強い願望を表すだけなのだ。まあ、「おみおつけ」みたいなものですな。「御御御付け」、「御御御」は、全て丁寧を表すに過ぎない。
ついでに書くと「あま」は漁夫、「かなし」はいとおしい。

しばらく歩くと稲村ガ崎の断崖が見える。例の北里柴三郎がコッホを案内したという、今は公園になっているところである(以前「網倉一也を聞く」と題して書いた)。逗子開成中学生遭難の碑を見て、再び湘南通りに。
岸にぶち当たった海水が飛沫となって時々頬に当たる。こんな日でも、マラソン人(びと)(五輪真弓の「恋人よ」より)が、駆けていく。
右にMain。30年以上前の思い出のレストラン。当時は木造だったような気がするが・・・その後Sundishに名前が変わり、今またMain。下に小さくSundishとある。Mainの名を懐かしむ人の声を無視できなかったのだろうか。

再び、湘南道路を歩く。今度は、稲村ガ崎の海岸の黒い砂(鉄分が多いので黒いのだ)が、頬を痛打する。まれにすれ違う人も歯痛患者のように海側の頬をおさえている。ついにはかに歩き。それくらい痛いのである。道路の反対側に行きたいのだが、アルミフェンスがそれを許さない。4半世紀前、湘南に引っ越してきて、海岸を車で走っているとき目にした「飛砂注意」という印象的な言葉の意味を、初めて本当に理解したことだった。

ようやく、反対側に移り、しばらく歩くと、鎌倉プリンスの灯りがまぶしい。ここまで約8000歩。強風に疲れたので、迎車を要請。妻に来てもらう。

1月02日 21時21分記

追記=お年玉銘柄については海外市場も見極めたうえ3日に書く予定ですので、しばらくお待ちください。
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