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鈴与シンワートを、当欄で取り上げてから、同社株はじりじり上げ、それまでは、ほとんど買いが入っていなかったのが、ここに来て、1円刻みで、漏れなくびっしりと買いが入るようになった。一方売り物は、この2日間ほどの買いで、かなりの上値はともかく、ほとんど無くなりつつあった。
それが今日の後場あたりから、ようやく143円から150円まででも、それなりに出て来た。

こういう状況に鑑み、このタイミングで、鈴与の評価、材料、魅力といったことについて、書いておくこととしよう。

同社は1963年に東証2部に上場したが、社名が頻繁に変わっているので、簡単に整理しておこう。

1963=新和運輸株式会社として上場
1975=スリー・エス・シンワ株式会社に社名変更
1989=株式会社シンワートに社名変更
1994=鈴与シンワート株式会社に社名変更(前年に鈴与グループ入り)

2005年にはNTTデータに第三者割当て増資を行い、同社が現在第4位株主になっている。これより前、1988年にはソフトウェア開発会社を買収、物流に加え、情報サービスも主力事業になっていく。

このような、変遷の中で、鈴与は、事業基盤を強固にし、収益力を高めていったわけである。数年前までは低収益企業だったが、2007年3月期に2.5円復配を果たし、近年の収益力の向上は目を見張るものがある。

営業利益(単位=100万円)の推移は
2010.3  =320
2011.3  =334
2012.3 =360
2013.3予=423(会社見通し)
2014.3予=600(四季報予想)

実質1株利益は、今期予想で16.9円、来期予想で24.5円にもなる。PERは来期ベースで5.8倍にすぎない。

【データセンターで躍進】
すでに述べたように、同社はNTTデータが第4位の大株主であり、主要顧客のわけだが、そういうこともあって、近年力を入れ、利益の稼ぎ頭になっているのがデータセンターだ。東京第1データセンターを有するが、さらに第2、第3と増やしていくというニュースを待っている私の期待を長らく裏切り続けてくれたのだが、ここに来てついに、動きが出て来た。今下期に第1データセンターを2割ほど増床する。さらに第2センターの建設に向けて検討を開始したと伝えられるのである。
昨年の大震災以降、企業はデータの保存にこれまで以上に気を使わざるを得なくなっている。バックデータの保存、信頼できる業者の選定(激安業者がデータを消失という事件があったと記憶する)等もあり、データセンターの需要は大きく増加しているわけである。

株式市場でデータセンターと言えば3811ビットアイル(JQ)である。少なくとも、私の場合はそうである。
ビットアイルは
株価758円(10.25日終値)
1株利益54.6円(来期予想。実質値)
PER13.9倍(同)

成長力、財務内容、配当等の差はあるにせよ、両者の差は酷すぎないか。詳しくは読者自身で両者のデータを四季報等で比較されたい。

このほか買収を重ねて来たソフトウェア開発では、今期中にもさらなる買収が検討されている模様だが、ここではこれ以上書かない。

これまでも、繰り返し書いて来たように、こういう小型株は、いかに下値でうまく種玉を仕込むかが重要だ。その上でなら、ある程度上値を買ってもいいわけであるである。明日株価がどう動くか分からないが、高いところを買えば、それなりのリスクがあること、急騰した場合、どこで売るか(出口戦略)が重要であることを十分念頭において、対処されたい。

10月25日 22時14分記
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