先日「夕刊フジ」(9月21日付け)を見ていたら

石破は「株長者」軍資金集めニガ手

という見出しが踊り、自民党党首選候補者の全資産なる表が掲載されていた。別に目新しいものではなく、公開されているものの流用に近いものである。最近は、フジも厳しいらしく、こういうローコストで作れる、こうした表、統計が1面をよく飾るのである。

そういうことは、どうでもいいのだが、この表を眺めていて、各候補の所有株式、中でも石破候補のそれに驚き、また見出しの「株長者」に笑ってしまった。

同氏の持ち株は
新日鉄(2万1140株)、JFE(600株)、住金(9224株)、三菱重(1万625株)、川重(5000株)、東急(4903株)、東電(4813株)、関電(2150株)の8銘柄である。
確かに、自民党総裁候補でなく、一般人なら「株長者」と言ってもさほどの違和感はないかもしれない、1、2年前までなら。しかしあの原発事故で、事態は様変わりしているのである。

あほくさと思いつつ、他人の不幸は蜜の味などというよからぬ気持ちからではなく、株式投資研究家としての興味から、石破さんの惨状について調べてみた。

現時点(9.21終値)での同氏の保有株式の資産価値は約1355万円である。取得価格は、もちろん分からないが、一昔前だったら、どれくらいだっただろうと思い計算してみることにした。安易なやりかたで恐縮だが、たまたま、以前用があって階下の書庫から持ち出してきておいていた四季報1997年夏季号があったので、これを使ってやってみた。1996年の高値と安値の中間値(アバウトに小生が算出)を採用。
注=JFEは日本鋼管と川鉄の株価の平均で算出

読者諸氏は、1996年時点で石破先生の保有株式の資産価値は一体いくらだったと思われるだろうか?
①2000万円
②2500万円
③3000万円
④3500万円
⑤4000万円
⑥4500万円
⑦5000万円
正解というか最も近いのは⑥である。約4645万円だったのである。
なんといっても東電の2640万円→64万円のダメージが大きかった。ただ、原発がらみの関電は除くとしても、他の銘柄も東急(-49%)以外は半減以下になっている。

しかし、石破さんは東大卒でもない(慶大卒)のに、よくぞ、こうまで鉄は国家なりというか官僚的というか、一昔前の日本を代表するというかの会社の株式だけを持っていたものである。
そういうオールドエコノミーの日本のトップ企業に投資、16年ほっておくと資産は4645万円→1355万円へと激減したわけである。
「半値8かけ2割引き」という相場用語があるが、4645万円の「半値8かけ2割引き」は1486万円になる。それ以上の下落になったのである。

いかに、日本において、長期投資が危険かということである。それも、日本を代表するような、経団連で大きな顔をしているような企業の株式を保有、後生大事にもっていると、こんなとんでもない目に遭うということである。

私の推奨株でも、ずっと持ってたら株価が半値以下にというのもあって(本人はすっかり忘れてたのだが、確かに推奨後3割近くも上がったのだが、その後下げ続け高値の3割、推奨時の4割くらいまで下げたといった例もある)、つくづく中長期投資の怖さを思ったことだった。

それはともかく、株式投資の手法というのは、時代にあわせて変わる、変えなければならないのである。今は高度成長期ではない。それどころかほとんどゼロ成長が続く人口減少社会である。こうした時代に「いい株を買ってじっくり保有」などという甘言に乗せられてはならない。社員持ち株会に入って目一杯買っていたりすると、日本航空やシャープのようなことも起こり得る時代なのである。目の付けどころがシャープどころではない。でも今日も吉永さんはCMがんばってました。
読者諸氏も、多少の含み損でも見切るときは見切る、あるいは見切るというより、別の銘柄の方が投資成果はあがるのではないかというふうに発想を変えて、不断にポートフォリオを見直すようにされたい。

9月23日 1時09分記
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