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2010.10.20
中古マンションはただになるのか?
荻原博子氏が『週刊文春』(10月14日号)に、1000万円、利回り10パーセントといった中古マンションを30年ローン(金利4パーセント)で買うと、30年後、マンションの価値はゼロになり、とんでもないことになるから、おやめなさいといった趣旨のことを書かれていた。
荻原氏とか森永卓郎氏とかには、私は親しみを感じていて、悪く言いたくないのだが、上記の荻原氏の主張は、大きな誤りなので、黙っていられず、取り上げる次第。鎌倉雄介は、株式投資と同等以上に、不動産の目利きを任じておるのだ。
荻原氏の論旨の根拠や前提について、一つ一つを取り上げることは、ここではしない。一番大きな、根本的な間違いについてのみ論じることとする。それは、マンションの資産価値は建築後40年とか50年したら、荻原氏の言うようにゼロになるのか?ということである。
実は、私も20代の終わり頃、小さな中古マンションを買った経験を持つが、その頃は今にして思えば、まったく物を知らず、かつ誰も教えてくれなかったから、漠然と、築25年くらいになるまでには売らないとやばい(ほとんど資産価値がなくなるかも)と思っていた。それから幾星霜、私の知識も増え、今や、株同様、独自の理論を構築、マンションは建築後何年たっても、かなりの資産価値を有することを断言できる。目からうろこの卓見なのだが、単純明快な理論なので分かるとみんな、なあんだと言う。しかし、これを、自分の頭で考え出せるかどうかということなのである。後で感動が薄れないように、あらかじめお断りしておこう。ははは。
新築マンションについて、まず考えてみよう。分かりやすく分譲価格1億円としよう。
この1億円は、土地の分と建物の分に分けられる。
この内訳が、どうか?これは都心の物件と郊外やリゾート地の物件では大きく異なる。
資産運用し利益をあげようという前提で考えると、人口減の日本では都心物件を選ぶべきは言うまでもない。そこで都心物件で考える。
この場合、
土地分=7000万円
建物分=3000万円
くらいになっている。
こう書くと、異論や疑問を呈される方も多かろうが、実はこの比率は、私が、契約書等で実際の内訳を知っている物件をもとに、算出したもので、アバウトな感覚を書いているわけではない。昔は、この内訳は分かりにくかったが、消費税導入後、売買代金とともに「売買代金に含まれる消費税相当額」が明記されているから、これから建物分の価格が計算できるわけだ(一番最近見たものでは「土地の代金」、「建物の代金」と明記されていた)。
つまり上記1億円の物件で「消費税相当額」が150万円となっていたら、この20倍=3000万円が建物分というわけだ。消費税は言うまでもなく5パーセントで、これは土地にはかからず、建物にだけかかるから、そういうことになる。
これが40年、50年後どうなるか?
地価は、堅実にみて横ばいとして土地分は7000万円のまま、
建物は、これも堅実にみて価値ゼロになるとして建物分ゼロ(取り壊し費用がなどと言う方もあろうが、マンション全体ではなく自分の分だけだから、せいぜい数百万円以下だから、とりあえず無視、と言うより実際はタワーマンションなど大規模な高級物件なら、残存価値は取り壊し費用を大きく上回ろう)。
結局、この分譲価格1億円のマンションは、40年後、堅実にみても7000万円程度の資産価値があるということことが分かる。
つまり、都心の、そこそこの物件(あるいは都心に匹敵する坪単価の物件)さえ選べば、40年、50年後でも、購入価格の70パーセント程度の価値は残るということなのである。もちろん、人気の物件を比較的安く手に入れることができれば100パーセント以上で売れることも十分ありうる。
中古マンション、戸建て(新築、中古)も、基本的に同じである。
ここまで読んでくれて、なお納得されぬ方は、よもやいらっしゃらないだろうが、私の分析の正しさを裏付ける一助となる例を一つだけ挙げておこう。
三井不動産分譲の三田綱町パーク・マンション(日本初の高層物件)である。1971年分譲だから築39年だが、現在も、かなりの高額で取引されている人気物件である。分譲価格を、残念ながら知らないので確かなことは言えないが、現在価格がそれを大きく上回っていることは疑いの余地がない(これはもちろん、この39年で三田綱町の地価が大きく上昇したからである)。興味のある方は、このマンションの価格を調べられたい。
なお現在、山中湖とか越後湯沢とかの中古マンションで、150万円とか、場合によってはもっと安い物件が売られている。これは土地価格が異常に安くなっている、管理費・修繕積立金が高く(リゾートマンション、特に昔のは温泉施設を備えているなどのためもあって、これが高いのが一般的である)負担に耐えられないオーナーがたたき売る等のためで、極端な話、ただでも貰い手がない物件さえ発生しているのだ。ただとか超低価格では仲介業者も旨みがないので扱ってくれず、こうした物件は市場にも出ずゴースト化しかねない。地方の不動産市場は崩壊状態のところも多く、都心や首都圏とは事情がまったく違うのである。荻原氏の論も、こういう物件では当てはまる。
追記=後でネットで調べたら
三田綱町パーク・マンション、126.99㎡、3階、北西角という物件が売りに出ていた。
1971年4月築だから、現在の表示でいくと築40年。一体いくらで出ているか?
99パーセント以上の人が、とんでもない答を言うだろう。
答=15500万円(1550万円の誤植ではありませぬ)
荻原氏とか森永卓郎氏とかには、私は親しみを感じていて、悪く言いたくないのだが、上記の荻原氏の主張は、大きな誤りなので、黙っていられず、取り上げる次第。鎌倉雄介は、株式投資と同等以上に、不動産の目利きを任じておるのだ。
荻原氏の論旨の根拠や前提について、一つ一つを取り上げることは、ここではしない。一番大きな、根本的な間違いについてのみ論じることとする。それは、マンションの資産価値は建築後40年とか50年したら、荻原氏の言うようにゼロになるのか?ということである。
実は、私も20代の終わり頃、小さな中古マンションを買った経験を持つが、その頃は今にして思えば、まったく物を知らず、かつ誰も教えてくれなかったから、漠然と、築25年くらいになるまでには売らないとやばい(ほとんど資産価値がなくなるかも)と思っていた。それから幾星霜、私の知識も増え、今や、株同様、独自の理論を構築、マンションは建築後何年たっても、かなりの資産価値を有することを断言できる。目からうろこの卓見なのだが、単純明快な理論なので分かるとみんな、なあんだと言う。しかし、これを、自分の頭で考え出せるかどうかということなのである。後で感動が薄れないように、あらかじめお断りしておこう。ははは。
新築マンションについて、まず考えてみよう。分かりやすく分譲価格1億円としよう。
この1億円は、土地の分と建物の分に分けられる。
この内訳が、どうか?これは都心の物件と郊外やリゾート地の物件では大きく異なる。
資産運用し利益をあげようという前提で考えると、人口減の日本では都心物件を選ぶべきは言うまでもない。そこで都心物件で考える。
この場合、
土地分=7000万円
建物分=3000万円
くらいになっている。
こう書くと、異論や疑問を呈される方も多かろうが、実はこの比率は、私が、契約書等で実際の内訳を知っている物件をもとに、算出したもので、アバウトな感覚を書いているわけではない。昔は、この内訳は分かりにくかったが、消費税導入後、売買代金とともに「売買代金に含まれる消費税相当額」が明記されているから、これから建物分の価格が計算できるわけだ(一番最近見たものでは「土地の代金」、「建物の代金」と明記されていた)。
つまり上記1億円の物件で「消費税相当額」が150万円となっていたら、この20倍=3000万円が建物分というわけだ。消費税は言うまでもなく5パーセントで、これは土地にはかからず、建物にだけかかるから、そういうことになる。
これが40年、50年後どうなるか?
地価は、堅実にみて横ばいとして土地分は7000万円のまま、
建物は、これも堅実にみて価値ゼロになるとして建物分ゼロ(取り壊し費用がなどと言う方もあろうが、マンション全体ではなく自分の分だけだから、せいぜい数百万円以下だから、とりあえず無視、と言うより実際はタワーマンションなど大規模な高級物件なら、残存価値は取り壊し費用を大きく上回ろう)。
結局、この分譲価格1億円のマンションは、40年後、堅実にみても7000万円程度の資産価値があるということことが分かる。
つまり、都心の、そこそこの物件(あるいは都心に匹敵する坪単価の物件)さえ選べば、40年、50年後でも、購入価格の70パーセント程度の価値は残るということなのである。もちろん、人気の物件を比較的安く手に入れることができれば100パーセント以上で売れることも十分ありうる。
中古マンション、戸建て(新築、中古)も、基本的に同じである。
ここまで読んでくれて、なお納得されぬ方は、よもやいらっしゃらないだろうが、私の分析の正しさを裏付ける一助となる例を一つだけ挙げておこう。
三井不動産分譲の三田綱町パーク・マンション(日本初の高層物件)である。1971年分譲だから築39年だが、現在も、かなりの高額で取引されている人気物件である。分譲価格を、残念ながら知らないので確かなことは言えないが、現在価格がそれを大きく上回っていることは疑いの余地がない(これはもちろん、この39年で三田綱町の地価が大きく上昇したからである)。興味のある方は、このマンションの価格を調べられたい。
なお現在、山中湖とか越後湯沢とかの中古マンションで、150万円とか、場合によってはもっと安い物件が売られている。これは土地価格が異常に安くなっている、管理費・修繕積立金が高く(リゾートマンション、特に昔のは温泉施設を備えているなどのためもあって、これが高いのが一般的である)負担に耐えられないオーナーがたたき売る等のためで、極端な話、ただでも貰い手がない物件さえ発生しているのだ。ただとか超低価格では仲介業者も旨みがないので扱ってくれず、こうした物件は市場にも出ずゴースト化しかねない。地方の不動産市場は崩壊状態のところも多く、都心や首都圏とは事情がまったく違うのである。荻原氏の論も、こういう物件では当てはまる。
追記=後でネットで調べたら
三田綱町パーク・マンション、126.99㎡、3階、北西角という物件が売りに出ていた。
1971年4月築だから、現在の表示でいくと築40年。一体いくらで出ているか?
99パーセント以上の人が、とんでもない答を言うだろう。
答=15500万円(1550万円の誤植ではありませぬ)
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