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多少なりと落ち着きを取り戻してきたかと期待を持たせ始めていたアメリカ株だが、19日はNYダウで一時500ドルを超える急落となった。
ユーロ圏の財政不安からヨーロッパ各国の株価が軒並み大幅安となった流れを受け、アメリカも銀行株などを中心に売られた。経済指標も、フィラデルフィア連邦準備銀行が発表した8月の景気指数が前月比で大きく悪化、さらに週間の新規失業保険申請件数、7月の中古住宅販売も、そろって市場予想を下回ったことが、大幅安の理由と思われる。

こうしたなか円相場は、やや円高が進んでおり、日本の投資環境はよくない。

18日の日本株は、相変わらず、ソニー、トヨタ、ホンダを始めとする国際優良株が、続急落、これに加え比較的強張ってきた牧野フ、オークマの工作機械株も急落、金融株も下げ、三井不などの不動産株も急落、まさに主力株総崩れとなった。上げたのは電力株(東電は▼1)くらいというのは皮肉だった。

こうした中、グリー、DNAが続急伸したほか、イー・ガーディアン、クルーズなどのSNS関連、ゲーム関連が大幅高となった。
このほかスカイマーク、ネットプライスドットコムは円高で潤う銘柄として買われたようだ。
またファストリのほか、ローソン、キャンドゥ、サンドラッグ、トリドール、大黒天物産など、消費関連、生活防衛関連にも堅調なものが目立った。

今後、相場が何とかなるとすれば、ここで挙げたような、18日に堅調だった銘柄、セクターが中心となろうが、アメリカを中心に世界的株安が進行する中では、慎重に対処するしかない。

今後、さらなる世界的株価下落、円の史上最高値更新から一段の円高進行という最悪シナリオも念頭に、キャッシュポジションを高め、帰趨を見極めたい。

日本と違いアメリカ市場は、景気指標で大きく上下する。今後の相場がどうなるかも、景気指標次第だろう。

8月18日 2時03分記
ダイセキ環境、ライト工、クックパッド、スタートトゥデイ、グリー、DNAという、少し前から、繰り返し言及してきた銘柄が、そろって大幅高となった。DNAは連日の年初来高値更新、グリーも急反発で結局年初来高値更新と好取組銘柄の強さを見せつけた。16日付けで「高値更新の可能性大とみる」としたクックパッドもあっさり高値を更新した。

16日発表のEU各国の4-6月期GDPは急減速となったが、市場にとってショックだったのはフランス、ドイツの低成長である。特にEU経済を牽引してきたドイツのGDP成長率が0.1%増(年率)にとどまったことで、ユーロ圏の景気が踊り場に来たのではないかという懸念が強まってきた。

結局、アメリカ、中国、ドイツと、そろって問題が噴出、つまりアメリカ、EU、新興国すべて怪しい情勢になってきたわけで、これはとりもなおさず世界景気に暗雲が漂って来たということに他ならない。世界経済のコバンザメ・日本も震災復興を頼りに2012年は比較的高成長達成というシナリオが、円高定着もあって、やや怪しくなって来ている。

かように右を見ても左を見ても、真っ暗闇という状況のようにも見える。それにしてはアメリカ株は堅調と書いて、チェックしてみたら、NYダウ、NQともマイナスに変化している。円相場も、1ドル76.5円前後と、じわりと円高が進んでいる。

こうなると、前稿で書いたように、製造業、特に輸出企業は手出し無用だろう。

グリー、スタートトゥデイ、クックパッドに引き続き注目。ただし、ここまで来ると危険水域に接近している恐れも否定しきれない。お持ちの方は、一部は利食いも。

ダイセキ環境、ライト工は、相場が若いというか、年初来高値には程遠い位置にあるので、ここからも狙って良さそうだ。
特にライト工は、予想外に強い動きで、これは、これからの大相場を暗示している可能性もある。
今調査を進めているが、もう少し取り組みが改善すると文句ないのだが。
いずれにせよ100株単位なので、多少打診買いを入れておくのもいいのではないか。

8月18日 1時28分記
ものづくり大学の設立、誘致で盛り上がっていたのは、何年前のことだったろうか。

いま日本のものづくりが存立基盤を激しく揺さぶられている。80円台への復帰すら夢になりつつある円高の長期化もあって、製造業の日本離れが止まらない。
しかし何十年前に堺屋太一が「知価社会」の到来を予告し、実際その後も、日本のGDPに占める製造業、第2次産業の占める比率は、低下の一途をたどり、今や20%そこそこにまで低下、逆にサービス産業、第3次産業は80%に迫る。

今ここで、この問題を論じるつもりはないので、これ以上書かないが、「ものづくり」を金科玉条として墨守するのが、本当に正しいことなのか?そういう考えは、もしかしたら、時代遅れな大きな間違いなのかもしれないのではないか、我々は、まっさらな心で根本的なところから、考えてみるべきなのではないかとだけ言っておこう。

こんなことを考えたのは、ここ、ソニー、トヨタ、ホンダという日本の高度成長を牽引し、長期投資神話(株は優良株を長期にわたって保有していれば必ず報われるという教え)を生んだ日本を代表する企業(製造業)の株価が、最近、年初来安値を更新、17日も、そろって続落し、一方、グリー、DeNA、スタートトゥデイ、クックパッドなどはそろって急伸、クックパッド以外は年初来高値も更新するという、まさに正反対の動きを目の当たりにしたからである。

日本をどういう方向に持っていくのか、考えるのは、まずは政治家の仕事だが、まあほとんど当てに出来ない。我々投資家は、とりあえず、製造業の凋落は避けがたいのかもしれないということを頭にしっかり叩き込み、有望株を発掘するようにしなければならない。

8月18日 0時24分記

注1=「ものつくり大学」構想は1990年代に持ち上がり、当初は佐渡が有力候補地だったが、結局、埼玉県行田市に2001年4月に開校していました。
注2=堺屋が知価社会の到来を予告したのは『知価革命 工業社会が終わる・知価社会が始まる』においてであって、1985年のことでした。

追記=相場に関しては1時間以内に、稿を改めて書きますので、しばらくお待ちください。
ヨーロッパの財政、経済の深刻さが明らかになりつつあるが、アメリカ株は急速に戻し、つれて世界の株式市場も、落ち着きを取り戻しつつある。

円の対ドル相場は、依然76円台後半の円高高止まりで、いつ史上最高値を更新してもおかしくない状況なのが、頭を押さえるが、輸出関連を避け、銘柄を選べば、何とかなる相場になりつつあるのかもしれない。「かも知れない」と言うのは、なお、そう断言できない危うさを秘めているからである。そろそろと、安全運転で行きたい。

以下16日の注目株の動き。

ダイセキ環境ソリューションが大きく上げた。福島第一原発事故で汚染された土壌・ガレキ処理で、民主・自民・公明3党が「特別地域」を設定し、国直轄で除染するという特別措置法案の骨格をまとめたことが、好感されたもの。

クックパッドも後場大幅高となった。好業績にかかわらず、安値圏に放置されていたので、この上げで、見直されるのではないか。

ライト工業は、予想外に強い動きで、押さずに続伸となった。なお信用しきれないものがあるが、中期的には上げるとみる。

スタートトゥデイは35円高で寄ったものの、寄り天となって小反落で引けた。当然の一服であり、心配無用だろう。

グリーは大きく下げた。5連騰で656円も上げた後だけに、これまた当然の下げか。反対にディー・エヌ・エー(今後DNAと表記)は急伸、2週間ぶりに年初来高値を更新した。グリー、DNAは同業で、株価も似たような動きをしそうなものだが、実際は短期的には相反する動きをすることが多い。これなども、デイトレーダー全盛の昨今、上がった方はすかさず売り、下げている方を買うという彼らの投資行動のためかもしれない。いずれにせよ、グリーに関して弱気になる必要はない。押し目は拾いたい。
なお、日経朝刊でゲームソフト各社がSNS(交流サイト)向けゲームの伸びが業績に寄与している構造が伝えられ、コーエーテクモ、コナミ、スクエニの3社がそろって上げた。グリー、DNA人気が波及したとも言える。

8月17日 0時43分記
動きの悪い銘柄は、いくら辛抱しても動きの悪いままの相場が、依然続く。
逆に動きのいい銘柄、その多くは好取組のわけだが、はすいすいと上がる。その典型がグリーだ。15日は安寄りし39円安まで押す場面もあったが、結局2382△99の高値引けで、年初来高値も更新した。

私は、前日挙げた銘柄のうち、実はディー・エヌ・エーを除いて、15日、全て少しずつだが買った。ただしスタートトゥデイは、すでに仕込み済みだったので15日には買わなかったが。

グリーは貸借倍率0.04倍で11、12日と逆日歩がついている。携帯向けソーシャルゲームが絶好調だが、米ソーシャルゲーム基盤運営のオープンフェイント社を1億ドル余で買収、これにより両社計で1億人超の世界最大級のゲーム運営サイトの構築に成功したわけだ。チャートを見ると、買いづらいかもしれないが、任天堂だのソニーだのと言っていた時代は終わり、携帯ゲームの世界の覇者はどこかという時代になってきている。その本命がグリーと考えるとき、来期ベースでPERが30倍にも達していない現状は、なお見直し余地大なのではないか。
ただし、ここまで来ると、値動きも荒っぽいので、最低2単位は買えるようにし、1単位を買って下げたらもう1単位買うようにしたい。

ダイセキ環境ソリューションは26週異動平均線に突っかけての反発。ここから面白い。

クックパッドも安値に放置されていただけに、ここは買っていいだろう。ここから押すようだと、むしろ危ない。

スタートトゥデイは15日の上げ(2044△72)で、7月27日に付けた高値2120円が射程に入ってきた。これも、グリー同様、時価総額が高島屋を上回ったことが象徴するように、時代が店売りからネット販売に変わりつつあることを示すものと言っていいだろう。中国向けネット通販を開始したが、海外展開もデパートなどより、いとも簡単に拡大していきそうだ。高値更新の可能性大とみる。

ライト工業は、懸念していたことが現実になったのかもしれないが、15日は反落した。前記銘柄に比べ、動きはいいとは言えないので、注意を要する。いずれかなり上げるとみるが、目先は微妙だ。260円から270円前後までの押し目がある可能性を念頭においておきたい。

8月16日 1時00分記
EU4カ国(フランス、イタリア、スペイン、ベルギー)が、11日(現地時間)、金融株の空売りの一時停止を発表した。
12日の欧米株は、フランス、イタリアが4%ほど、イギリス、ドイツも3%台の値上がりとなり、アメリカ株も、NYダウは1%強値上がりした。
とは言え、アメリカ株の日替わりで、大きく高下する相場を見る限り、これで一安心とは行きそうにない。
為替相場が、依然円高のまま高止まりしているのも、日本株の頭を押さえる。

というわけで、ここは、なお基本的には、様子見で行くところだが、動きの悪い銘柄からの乗り換えや、ごくわずか打診買いする候補として、2、3銘柄をあげておこう。
輸出関連は、現下の円高から避け、また2部銘柄(東証、大証とも)やJQ・マザーズ(ただし一部の主力銘柄を除く)銘柄は避け、東証一部の、値動きの軽そうなものという条件で選定した。

1712ダイセキ環境ソリューション 191700円▼4600(12日終値) 1株単位
土壌汚染調査・処理会社だが、土壌汚染防止法改正で、今2012年2月期の下半期から、これに関連する受注が出てくる。また大震災関連の土壌処理案件は来期以降、受注が本格化する見通しだ。7月11日発表の3-5月期決算では、経常利益0.91億円(前年同期▲0.29億円)だった。3-8月期予想1.15億円の79%強を、すでに稼いだわけで、通期業績も超過達成が期待できよう。いわんや来期は土壌汚染防止法がらみの受注の通期寄与、大震災がらみの受注の本格化で、大幅増益が有望だ。
民主党の玄葉政調会長(国家戦略相)は7月16日、福島県郡山市内での党の会合で、福島第一原発事故に関し「福島県飯舘村などの大規模な除染作業が大事になってくる」と述べ、2011年度第3次補正予算案での対応を検討する意向を示した。 こうした案件は、今後の政治情勢にかかわらず実現されると思われ、同社に、追い風が吹く。PER的には、さほど割安とはいえないが、年初来高値から十分調整しており、ここは狙って面白い。

1926ライト工業(東証1部) 292△13(同)
8月11日、不動テトラ、日特建設などの地盤改良を得意とする主に低位建設株が人気化した。この人気化の理由は必ずしもはっきりしないが、ライト工を含め、地盤改良、液状化関連銘柄が、ほぼ揃って大幅高したのは事実だ。サムシング、三信建設のJQの2銘柄は逆に下げたところに、この相場が、東証1部しかだめという現在の特殊な状況が見て取れる。
そういう状況を考慮し、地盤改良・液状化でトップクラスの実力を有し、かつ連結子会社に気仙沼本社で復興需要でウケに入る小野良組を擁するライト工に注目するわけである。
ここ大きく上げた後なので、出来れば押し目を拾いたいところだが。

グリー、ディー・エヌ・エー、スタートトゥデイ、クックパッドのなかでは、グリーは大きく上げた後だけに、ここからの新規買いはしにくく、ディー・エヌ・エーは動きがいまいち、狙うなら、スタートトゥデイ、クックパッドだろう。

8月15日 2時23分記
2011.08.14 相場の変化
最近、最近と言うのは、大きな流れとしては半年とか1年くらい前から、くっきり目立つようになったときとしては、大震災以降くらい前から、相場の流れ、物色動向、株価の動きの速さ等々に、どうも、何か大きな変化が生じつつあるのではないか、と感じることが多くなった。

これまでは、それを、一過性のもの、一時的にぶれても早晩、元に戻るものとして、当欄を書いてきたわけだが、どうも、この傾向は、かなり長期に続くものなのではないかという見方に、今、私はなりつつある。

もしそうなら、私の、銘柄選択のやり方も、おのずと、ある程度、変えなければならないわけで、私は、この問題について、ここ数日、あれやこれや仮説を立てながら、考えてきた。

ランキング情報が近年はやりで、みんなこれに頼りがちだ。
株式売買手数料がネット証券では、ほとんどかからない。
この二つが合体すると、どういうことになるか。

銘柄選択は二の次にして、時流に乗っている人気銘柄に早や乗り早や降りする人たちが激増しているのではないか。競馬とか宝くじは、株式取引における手数料と実質大差ないテラ銭が非常に高い(掛け金に対する戻り率が非常に低い)ので、基本的に損する仕組みになっているわけだが、ネット証券経由の株式取引では、これが異様に低いから、適当にやっても、何とかなる確率は高いわけだ。ただ、空売りはしないとすると、大震災とかあって、全体が暴落すると、酷い目にあう。

こういうことが分かると、次のような人が出現する。
つまり、売買は、原則その日に買ってその日に売る。宵越しの株は持たないわけだ。
あるいは売り・買いをほぼ均衡させておく(この場合宵越しの株は持ってもよい)。
実際、現在、個人投資家の売買(株数≒売買代金ベース)の9割くらいが、こうしたデイトレーダーの売買で占められているようだ(私はいわゆるデイトレーダーではないが、週何回以上売買する人という意味では、デイトレーダーに分類されそうだから、こうした統計は鵜呑みには出来ないのだが)。

かくして、銘柄選択で業績は全然見ないなどという人も、さほど珍しくなくなっているとも言う。
FC2ブログ ランキングを見ると、当ブログは最新のもので
株式・投資・マネー部門で40954中378位
株式部門で3710中82位
なのだが、
実は、当ブログより上位のブログは、大半がFXで、これを除くと激減し、残ったものもインデックス投資とか自動売買システム投資が多く、それ以外は、有料サイトに誘導するためのサイトも除くと、もう数えるくらいしかない。
ここで言いたいのは、当ブログの順位のことではなく、一昔前までだったら、普通だった、まじめに銘柄を検討し銘柄を決定し、その推奨根拠を詳細に示して、銘柄推奨をするというようなことが、非常に珍しい、天然記念物か保護動物のような存在になりかかっているということである。

こういう状況になっている中では、値動きのいい銘柄に早や乗りし、ちょっと上がったらさっさと利食いという投資手法が幅を利かすということになる。
一方、投信でも、インデックス型が増加しており、また昨年12月から日銀がETF(株価指数連動型投資信託)購入を続けていることが、主力株に物色が偏りがちという風潮に拍車をかけている可能性がある。

引かれものの小唄にもなりかねないので、これ以上は書かないが、要するに、現在の相場の不自然と言うか、理論的には説明しづらい相場の、背景には、こうしたことがあるのではないかということである。

相場は相場に聞けであり、相場をやるものは、今日は勤皇明日佐幕で、事態に臨機応変対応しなければならない。前回にも、簡単に触れたと思うが、こういうことを踏まえ、今後、銘柄選定をして行こうと考えている。

今後の相場見通し、有望銘柄等については、今夜ないし日が変わって早々くらいに書く予定です。
しばらくお待ちいただき、お読みいただければ幸いです。

8月14日 18時50分記
11日の日本株は、10日のアメリカ株の519ドル安(にもかかわらず、強い動きだった。すなわち、日経平均、TOPIXとも小幅安にとどまり、単純平均はわずかながらプラス、騰落銘柄数も値上がり銘柄数の方がわずかながらも値下がり銘柄数を上回ったのだ。中国、韓国は揃って値上がり、これらに引っ張られた面もあろう。

これで11日のアメリカ株が下落したらと危惧する所だが、週間新規失業保険申請件数が予想外に減少したことやIBMなどの好決算などを背景に、前日の急落の反動もあって大幅高となっている。

タカトリ(推)の動きがおかしい。
同じくワイヤソー、大証2部の安永が10日引け後4-6月期決算と通期予想を発表したのだが、これを受けての11日は60円安で寄り付き914▼111で引けた。4-6月期決算は予定線か、やや上回るかくらい、通期予想は据え置いたにもかかわらずである。要するに、この前のタカトリの決算発表後の値動きと酷似しているわけだ。
実はワイヤソー・ソーワイヤ関連では、タカトリが崩れ始めてからも堅調で8月1日には年初来高値を更新した旭ダイヤも、ここ崩れている。2日以降8連続安で1920円から1437円へつるべ落としの下げとなっている。これには8日(推定)に野村證券が電着ダイヤモンドワイヤ「エコメップ」の需要減速を理由に格下げしたことも響いている。
以上のような状況が、タカトリの値動きに影響していると思われ、単に下げすぎだからと言って、簡単に大きく戻すのは難しくなっているのかもしれない。読みがはずれ恐縮だが、状況の変化に臨機応変対応するのが相場の要諦でもある。あまりこだわらず、戻したところは一部は他の銘柄への乗換えを考えたい。

高見澤(推)が11日15時00分に2011年6月期決算予想を上方修正した。これを受けて15時以降、急伸198△14となった。
経常利益は3.2億円予想(四季報は4.5億円予想)を6.58億円に上方修正した。1株利益は52.7円に達する。PERは3.57倍。
どう考えても最低でも30円は上げていい驚異的上方修正だが、時流に外れた小型株であることが足を引っ張っているか。それと、実は決算発表が12日だ。高見澤の場合6月期本決算なので併せて2012年6月期決算予想が出される。その予想が悪くて一転値下がりなどという、とんでもない展開もゼロではないので注意を要する。12日、大きく続伸するようなら決算発表前に売るというのもありだろう。

円高定着もあって、どうも輸出関連の値動きが悪い。また、大震災後、テーマに乗ってあげた銘柄群、特に中小型株の値動きも惨憺たるものだ。
こうした現実を直視するなら、ここからは、物色対象を、大きく見直したほうが良さそうだ。

私が現在注目しているのは
グリー、ディー・エヌ・エー、スタート・トゥデイ、クックパッドなどのネット関連、
ダイセキ環境ソリューション、ライト工業などの復興関連の一部
だ。
これらについては、後日詳しく書くこととしたい。

8月12日 3時45分記
10日の日本株は、寄り付きこそ比較的上げたが、その後は上げ幅を縮小、結局日経平均で1.05%、TOPIXで0.82%の小幅高にとどまった。トヨタ、ホンダ、キャノン、ソニーなどの主力国際優良株が軒並み下げたのが目立った。
円高が止まらないことが響いているとみるべきだろう。

このあとのアメリカ株は急落して始まり、前日のように乱高下することもなく300ドル~400ドル前後の大幅安で推移している(NYダウ)。現下の状況を、株式市場が、それだけ深刻に受け止めているということだろう。
前回、下げ過ぎ修正に向かうかとしたが、一夜にして撤回しなくてはいけないようだ。
毎日、何が起きるか分からない激動の日々であり、軽々に明日のことは言ってはいけないということであろう。
11日の日本株が大きく下げるとしてTOPIXは3月15日につけた年初来安値767を下回ることになる。日経平均も同8605円に接近となろう。
この辺で、踏みとどまれば、まだ、チャート的にダブル底となるが、さらに下げると、底抜けということにもなりかねない。
ここは、まさに正念場だ。
と言っても、どう転ぶか、全く他力本願、アメリカ株、円相場次第と言うしかない。

思えば、景気後退を克服、不景気なき経済を実現したとグリーンスパンの経済運営がもてはやされたのが、何年前のことだったか、これがそもそもの間違いの始まりだった。
リーマンショックが起こり、各国政府が巨額の財政出動、何とかこれを克服したかと思いつつあったときに起きたのが今回の事態。各国とも、もはや巨額の財政出動で財政は極度に悪化しており、打つ手は限られている。
また同舟異夢の同士であってみれば、円高介入への各国の目も冷ややかだ。

今最も期待されるのは、発信源のアメリカの信頼に足る確固たる対策だが、なんと、このアメリカが、ここ何年来、景気低迷・デフレに打つ手なしで手をこまねく日本と驚くほど状況が酷似しているのだ。
すなわち、財政悪化で財政的に打つ手がほとんどない。金利もゼロ金利でこれ以上下げられない。加えてネジレ国会で、何事ももたつく。政治が機能不全の日本ほどではないにせよ、かつてのアメリカではなくオバマ大統領の指導力不足が指摘される状況なのである。

かくして、この厳しい事態になっているわけだが、やはり、今は普通に株式投資をやる環境にはないということであろう。持ち株を極力減らし、形勢観望といくにしくはない。

8月11日 3時03分記
アメリカ市場(NYダウ)は、前日の600ドル超の下げの反動と、日本時間10日未明に発表されるFOMCの決定への期待で、大きく反発している。

9日の日本株は、日経平均で440円安までであったが、中国株(上海総合)が一時小高くなった(引けはわずかに下落)のにも救われ、結局153円安で引けた。
しかし、この3日間の下げのすさまじさは、3月11日、12日に次ぐ酷さであった。追い証・不足金も大量発生、このため売りが売りを呼ぶ展開となり、理屈を大きく超えた行き過ぎた下げを生んだ。

このため、アメリカ株が、このままある程度以上の上げを維持できれば、10日の日本株は、かなりの戻りを見せる可能性が大だろう。

TOPIXのチャートは、3月18日と8月9日で、やや不完全ながらダブル底を形成する形となった。
それぞれの終値(ザラ場安値)は
3月18日=767(726)
8月09日=770(744)
となっている。

日経の陰謀でもあるまいが、と言うよりマスコミの担当者の勉強不足だろうが、誰もTOPIXについて注意を払わない。しかし、9日、TOPIXは一時年初来安値を更新したのである。
注=以前にも書いたように、年初来高値(安値)等は終値について言い、ザラ場で更新しても、終値で更新しなければ、それは結局無視される。ただ「ザラ場で一時年初来高値(安値)更新」とは言う。
かくしてダブル底形成、チャートは、非常にいい形になったというわけである。

私の予想通りの今期業績予想を発表したにもかかわらず下げた東ラヂ(推)、年初来安値更新から大きく戻したタカトリ(推)、7月27日以降下げ続けている日本精線(推)の反発を期待しよう。

もちろん、FOMC次第、アメリカ株次第なので、予断は許さない。安全運転を心がけたい。

8月10日 0時33分記